ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「セッション」の感想,あらすじ

セッション

2014年アメリカ製作映画。原題『Whiolash』。脚本・監督 デミアン・チャゼル。第87回アカデミー賞3部門受賞作品。日本では2015年公開。

(C) 2013 WHIPLASH, LLC All Rights Reserved

 偉大なドラマーになることを夢見てアメリカ一の音楽大学に通う主人公が,有名な指揮者のバンドに入り,彼の行き過ぎとも思えるような厳しい指導を受けながら一人の音楽家として成長していく話。

あらすじ

アンドリュー・ニーマンは偉大なドラマーになることを夢見て,アメリカ一の音楽大学に通って一人練習に明け暮れていた。しかしあまり良い結果は出ておらず,彼が所属するバンドでも,主奏者扱いではなかった。

しかしある時,ニーマンの演奏を聞いた有名な指揮者のフレッチャーが彼の才能を見込んで,アメリカ一のジャズバンドとも言われる自身のバンドに参加するよう,彼に伝えた。

 

ニーマンは喜んで次の日フレッチャーのバンドの練習に向かった。そこで彼が見た光景は,フレッチャーが来た途端に張り詰めたような空気を漂わせる楽団員たちと,練習中に彼らを怒鳴りながら厳しく指導するフレッチャーの姿だった。その指導の中で泣きながら追い出される者もいてニーマンは,そのやり方に驚いた。

しばらくして,それまで演奏していた主奏者に代わってニーマンがドラムを叩く機会がやって来た。フレッチャーは練習を始める前のニーマンに,先ほどの練習中とはまるで別人のように優しい言葉をかけていたが,いざ練習が始まると彼はまた厳しい態度に変わった。彼は自分の思っているテンポで叩けないニーマンに向かって椅子を投げ,怒鳴り,頬を叩いて指導し,その場にいた楽団員たちの前で,しばらくの間罵倒を浴びせ続けた。

 

 

その場でニーマンは何もできなかったが,その悔しさから彼はそれから手から血が出るほどの,激しい練習をするようになる。それでも彼はなかなか認めてもらえなかったが,ある時フレッチャーのバンドに同行してコンテストに行ったニーマンにチャンスが訪れた。ニーマンはバンドの練習の休憩中,主奏者のタナーに楽譜を預けられるが不注意でそれを失くしてしまった。楽譜を覚えていなかったタナーがステージに出られないと言ったため,覚えていたニーマンはフレッチャーに自分が出ると提案し,フレッチャーは仕方なく了承した。

その結果,ニーマンは本番で上手く演奏することができ,次の練習から彼が主奏者になった。

 

ニーマンは自分の音楽活動が順調に進んでいると考えていたが,親戚の集まりではそれを全く認めてもらえず,フレッチャーまで自分よりも明らかに下手なドラマー,コノリーを連れてきて彼ばかり褒めるようになった。その悔しさからニーマンは,他のことを捨てていっそう激しく練習に打ち込むようになっていった。

 

ある日のバンドの練習前,フレッチャーはいつもとは違いすぐに練習を始めず,楽団員のみんなに6年前の生徒であったショーン・ケイシーの話をし始めた。彼はフレッチャーがその才能を見出した人物で,卒業後はプロの演奏家になったのだが,昨日車の事故で亡くなったらしい。フレッチャーは,それを悲しんで涙を流しながら,楽団員たちに彼についての話をした。

 

しかし,その後の練習の彼は相変わらず厳しかった。コノリーが演奏するとテンポが違うと言い,その後タナーとニーマンにも叩かせたが,誰の演奏も彼のイメージとは違うようだった。フレッチャーは3人のうちの誰かがちゃんとしたテンポで叩けるまでやり直させ続けると言い,その後しばらくの間彼の厳しくて激しい指導が3人だけに向けられ続けた。

長時間の指導を受け続けた3人はみんなボロボロになっていたが,最終的には,ニーマンが彼が望むテンポで叩くことができ,ニーマンはついに正式な主奏者の立場を勝ち取った。

 

ニーマンが主奏者として演奏する最初の大会当日。

彼は乗ったバスが故障したためレンタカーで会場に向かい,集合時間に遅れてしまった。フレッチャーはそれを許さずニーマンをステージに上げようとはしなかったが,ニーマンはその判断に対して抗議した。フレッチャーはニーマンのその態度が気に食わなかったため彼に,もしたった一つのミスでも犯したら元のバンドに逆戻りだと告げた。

彼は時間に追われる焦りから,交通事故を起こして怪我をしたまま,血だらけでステージに上がったため,当然まともにドラムを叩けるはずはなく,その演奏は失敗に終わった。フレッチャーはステージ上に満身創痍で苦しんでいるニーマンに向かい『終わったな。』と言った。

そう言われてカッとなったニーマンは,観客に謝罪しているフレッチャーに襲いかかろうとしたが,止められて退学処分となった。

 

その後,ニーマンはドラムの練習を止め,別の大学に入る準備をしながら働き始めた。ある時通りかかった店のジャズライブの特別ゲストにフレッチャーの名前を見つけ,彼はその店に入った。そこで彼が見たのは,静かにピアノを弾いていたフレッチャーの姿だった。フレッチャーは演奏後,ニーマンの姿を見つけて声を掛けた。

 

フレッチャーの話を聞くと,彼は誰かに行きすぎの指導方法を密告され,大学を辞めたらしかった。しかし彼は,厳しい指導をしていたのは期待以上のところまで生徒を押し上げたかったからだ,と言った。自分が褒めてしまっては,満足して練習をやめてしまい,次の天才は生まれないから,努力してあの指導をしていたのだと。

フレッチャーはニーマンとの別れ際に,彼を自分が今やっている新しいバンドに誘った。フレッチャーの話を聞いて彼への見方を変えたニーマンは,ドラムを再開し彼のバンドのメンバーとして演奏することに決めた。

 

ニーマンが新しいバンドで初めて演奏をする日。フレッチャーは本番が始まる前に楽団員たちに,スカウトが来ているこのステージが成功のチャンスだ。しかし逆にここで失敗したら,もう音楽家は諦めたほうがいい。ということを言った。

そして演奏が始まる直前,ニーマンが準備をしているとフレッチャーが彼の前にやって来て,ニーマンだけに聞こえるような声で言った。

 

「私をなめるなよ。」

 

その後,フレッチャーが指揮を振りバンドの演奏は始まったのだが,ニーマンには予想外な問題が起こり,彼らの関係は思いもよらなかったものへと変化していくのだった。

 

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感想(ネタバレあり)

ストーリーについて

途中にあるニーマンがフレッチャーに怒鳴られるシーンや,ボロボロになりながら練習したりステージに立つシーンは,正直見ていて辛かったです。しかし,その気持ちがあったからこそ,最後のシーンでの達成感が素晴らしく良かったです。特に後半の話の展開がとても意外性があって驚きの連続でした。それに二人の怖いくらいに迫真な演技も加わって,とても心が揺さぶられる映画でした。

最終的にフレッチャーの指導方法は,ニーマンのドラムの腕前を上達させたのかもしれませんけど,私はやっぱりあれは間違っていたと思います。最後のシーンでのニーマンとのやり取りや,音楽の練習の時以外では怒鳴っていなかったことから,その厳し過ぎる指導方法は彼の音楽へのこだわりや愛ゆえの行為だと想像はできますけど,そこまでの愛が無い私から見ると,ただのひどいことを言う人にしか見えなかったです。

でも,ニーマンはきっとフレッチャーを許すんでしょうね。彼にも同じように音楽への愛があって,最後のシーンであの演奏ができたのは,間違いなくフレッチャーのおかげと言えますから。

関係ない場所から見ていると間違いなく,ニーマンのようにドラムのために血だらけで練習していろんなことを犠牲にする生活よりも,ニーマンの恋人だったニコルのように,毎日何となく楽しいことをして生きている方が幸せに見えるんですよ。厳しい指導を受けて,無理して練習する彼はとてもつらそうに見えましたから。

しかし,ニーマンはそれを望んでやっているんですよね。これは音楽だけじゃなくて,本気で何かをやっている人ならスポーツとかでも良くあり得ることだと思います。他の人から見たら辛いことで,本人もそれは辛いと思ってるし,先生を憎いだとかいろんなマイナスの感情も抱くんです。でもやってることが好きすぎて,うまくなりたいとか,うまく演奏したい気持ちの方が勝つんですよ。最後のシーンは二人ともそんな気持ちだったんじゃないかと思います。お互いのことは恨んでるけど,それ以上に音楽を愛する気持ちがあったから,あんな風に演奏できたんじゃないかと思いました。

逆にそこまでの愛が無いと,厳しい世界で一流にはなれないのかもしれないですね。

 

映画として見ているから,彼らのことをちょっとかっこいいと思ったり,彼らを見て感動したりもしましたけど,現実で彼らのような人を見たらきっとドン引きしますよ。実際劇中でも,ニーマンのお父さんは最後のシーンのニーマンを見てドン引きしてましたね。

俳優さんの演技について

フレッチャー役のJ・K・シモンズさんがこの映画でアカデミー賞の助演男優賞を受賞したそうですけど,それも納得の衝撃的な演技でした。最後のシーンの楽しそうな表情はもちろん良かったですけど,彼が練習を始める前の優しい顔と練習中の厳しい顔の変化とその演技の緩急の激しさにびっくりしました。

ニーマン役のマイルズ・テラーさんもまた,フレッチャーに会う前や恋人と話していた時の顔と,フレッチャーに会った後のドラムを練習している時の顔が全然違って驚きました。彼が本気でドラムを叩いている様子は,迫真過ぎてちょっと怖かったです。

教育の仕方(個人の意見です)

フレッチャーの厳しい指導がニーマンの才能と熱意を目覚めさせたみたいなことを上に書きましたが,それでも私はどうしても彼のやり方は間違っていると思います。ニーマンが上手く演奏できるようになったのは,きっと彼自身がたまたま才能と抜群の根性がある人物だったからです。

フレッチャーの指導は,きっとニーマンのように成功した人物よりもはるかに多くの人物を,挫折させただけではなく精神的や肉体的に傷つけてきたと思います。それは劇中でも描かれていましたし,それが原因でフレッチャーは大学を辞めさせられていましたから,この映画ではその指導が正しいものとして描かれているわけではないんです。けれど,一部ではそんな厳しい指導が当たり前だと考えられていることもありますよ。高校の部活とかは,私はそんなイメージがあります。

最近,私は生徒に厳しい言葉で指導したり,休みをほとんど取らせなかったりする『ブラック部活』と言う言葉があるという事を知りました。なぜそんな厳しい指導するかというと,私の予想ではその教師が昔どこかでそんな教え方をされたからじゃないかなと思います。だから自分の教え子にも同じようなことをするんです。

でも私は,常により良い教え方を考えるのも教育者の役目だと思います。前に自分がやられたものよりも効率が良い方法だったり,昔自分が練習で辛い思いをしたならこれからの生徒には,そう思わせない様な方法を考えるべきだと思います。フレッチャーのように生徒に怒鳴って傷つけるような指導をしている人はきっとまだいるんでしょうけど,これからはそんな人が減っていくと良いなと個人的に思いました。

一本の映画の登場人物としてはフレッチャーとニーマンの関係は面白いですけど,実際にそんな指導を受けている人がいるなら,周りの人の気持ちも考えるとそんな先生はいてほしくないと私は思います。

まとめ

見ていて辛い場面もありましたけどそれが最後のシーンの感動に繋がっていて,とても衝撃的な映画でした。J・K・シモンズさんとマイルズ・テラーさんの演技も,それを強調させるような迫力ある演技ですごかったです。どの世界でも,トップを目指すのは大変なんだなと思いました。

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