ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「何者」の感想,あらすじ

何者

2016年公開映画。原作 朝井リョウ。主演 佐藤健。

5人の考え方が違う就活生が1つの部屋に集まり,お互いの考えに影響されながらそれぞれの就活を進めていく話。

(C)2016映画「何者」製作委員会 (C)2012 朝井リョウ/新潮社

あらすじ

大学生の就活が始まるシーズンである。

 

大学生の拓人はスーツを着てライブハウスに来ていた。彼はルームシェアをしている友達,光太郎がやっているバンドの引退ライブを見に来ていたのだ。

そこで彼は,1年生の時から片思いをしていた相手の瑞月に会った。彼女は拓人に会ったことに少し驚いていたが,彼は彼女のツイッターのやり取りを見ていたため,瑞月が来ることを知っていた。

 

拓人はツイッターで就活などについての自分の分析をつぶやくだけでなく,知り合った人のツイッターを調べて,その人がどんなことをつぶやいているかたびたび確認するという変な習慣があった。

彼の分析は瑞月や光太郎にも一目置かれるほどのものであり,自分でも自信を持っているようだった。彼は現実の生活でも様々なことについて分析した考えを,いろんな人に話していたのだ。

 

光太郎はバンドを引退すると髪を切って黒く染め,先に始めていた拓人にいろいろ聞きながら就活を始めた。

そんなある日,拓人と光太郎が就活について話していると,部屋に瑞月がやって来た。

理香という彼女の友達が彼らの部屋の上の階に住んでいて,彼女も就活生なので一緒に話さないかと言う誘いだった。

 

理香は模擬エントリーシートや,海外留学,インターン,OB訪問などの拓人たちがやっていないような就活対策をやっており,その場の誰よりも熱心に就活の準備をしていた。彼女は情報交換や知識を広めるために,その部屋をみんなの就活対策本部にしようと提案し,他の3人もそれに賛成した。

 

理香には,隆良という同棲している恋人がいた。彼は就活の考え方に疑問を持っており,会社に所属することなく自分の力でクリエイターのような仕事をしたいと考えていたため,就活はしないようだった。

 

彼ら5人は,お互いの考えに影響されながら就活について考え,それぞれが信じる道へ進んでいく。

しかし,その中の一人に内定が出ると,うまくいかない人の焦りから彼らの関係は少しずつ崩れていく。

 

感想(ネタバレあり)

ストーリーについて

「桐島,部活やめるってよ」と同じ朝井リョウさん原作の映画です。

私は桐島よりも面白いと思いました。

途中まで,拓人はケータイ見過ぎじゃない?と思っていましたけれど,それが伏線になっていたのは驚きました。宣伝で言っていたどんでん返しというほどではなかったですけれど,彼の本音の言葉は確かに驚きました。

ツイッターやネットの世界をうまく利用していたのが,新しい感じで良かったです。私もメールアドレスでツイッターのアカウントが分かることを初めて知りました。

それから,「桐島,部活やめるってよ」の登場人物たちとは違って,彼らは自分の気持ちを文字や言葉ではっきりと表していたので分かりやすかったです。

 

「桐島,部活やめるってよ」とこの作品しか知りませんし,原作も読んでいませんけれど,実写化されている朝井リョウさんの話は,人の悪く見える面もリアルに描きすぎていて私には,あんまり楽しく見れる感じではないです。

登場人物の悪く見える部分が自分にも当てはまることに気付いたりして,少し落ち込んだりします。

 

特に,佐藤健さんが演じていた拓人の気持ちは,確かに良くは無いんですけど,その気持ちも分かるなぁと思いました。

目標や夢に向かって頑張ることが1番良いことは分かっているんですけれど,努力した結果失敗することは,自分にとってすごくかっこ悪くて怖い。さらに失敗したら,努力していた間の時間と労力が無駄になる気がして,ちょっと嫌ですね。

でも,そんなことを考えずまっすぐに行動している人がいて,自分がする勇気がないことをやっている人に嫉妬してしまって,ついその気持ちを紛らわすために無駄な努力と言ったり,笑いものにしたりしてしまうんだと思います。

努力する人を否定してしまう良くない考え方だとは思いますけど,いろいろ考えてしまう性格の私には,彼の考え方は少し分かりました。

 

しかし,拓人のような人はこれからの人生でその考えを直せる機会がたくさんあると思います。冷静に分析ができる人は,相手の良いところを見るようにして自分の行動を振り返ればいくらでも成長できるはずです。

 

彼のような人には就活がうまくいってもいかなくても,これから出会う人の良いところや悪いところを見つけて,その人たちに影響され合い,成長していってほしいと思いました。

そして成長した後は,今度は他人に良い影響を与える人になっていってほしいと思います。私もそんな人になっていきたいと常々思っています。

 

就活生であろうと社会人であろうと人間なので,短所はあります。どんな人にも大事なのは,これからの人生で起こることや出会う人によって,自分をより良く変えられるかということなのかなと思いました。

就活について

「桐島,部活やめるってよ」では,今の高校生は大変だなと思いましたが,「何者」では,今の就活生って大変だなと思いました。

しかし桐島は,高校生にも見てほしい作品だと思いましたが,何者は就活生は見ない方がいい作品だと思いました。

 

私の場合は,就活についてあまり本気で考えていなくて,この作品の中の何系の就活生でもなかったです。なので最近の就活生の中には,就活がうまくいかなくて鬱になる人や自殺未遂をする人までいると聞いて,とても驚きました。

 

この映画を就活生が見ると,就活した後に就職して働くのが普通で,特別な才能がない人はそれしか道がないと思い込んでしまい,余計に自分を追い込んでしまうかもしれません。

劇中で菅田将暉さん演じる光太郎がこんなセリフを言っていました。

「内定って不思議な言葉だな。それだけで自分が肯定された気になる。」

それなら就活をしていて内定をもらえない人は,もらえるまでずっと否定され続けるという事なんです。ショックを受ける気持ちも,いろんなことが嫌になる気持ちも分かります。

 

しかし,内定をもらえない人がだめな人間というわけではありません。内定がもらえる人は光太郎のように就活が得意な人,もらえない人はそれが得意でないというだけです。

筆記テストや数十分の面接だけで,他人の性格や能力が分かるわけがないんです。

どうしても,就活を続けるのが嫌になったら,いったんやめましょう。学生の時には気付かなくても,生きていくための手段は意外にもたくさんあります。絶対に就活をうまく終わらせないといけないと思い詰めるのは良くないです。

就活でその後の全てが決まるわけではないので,もっと楽にすればいいのにと,映画の彼らを見て思いました。

 

たいていの人にとって,大学卒業までよりも卒業してからの時間の方が長いので,就活に失敗しただけでいろんなことを諦めるのはもったいないです。

就活に失敗したら悪いことばかり起きると思うのではなく,前向きに過ごしていれば,成功した時に予想していたこととは違った良いことがきっと起きると思います。

 

しかしやっぱりこの映画は,実際の就活とは関係のないフィクションだと思って見るのが一番楽しめる見方だと思います。

気になったこと

私はこの映画でとても気になったことがあります。それは見る前から思っていたんですけど,

有村架純さんほど可愛い人は,まともに面接を受けられて,難しい企業を選ばなければ就活にそれほど苦戦しないかもしれない。

と思ったことです。

劇中では1番に内定が出ていましたけど,もっと早く,もっとたくさんもらっててもおかしくないかもしれません。

 

なぜかというと,新卒採用で面接を担当する人は30代半ばから50代くらいの間のおじさんが多いからです。

その年代のおじさんの多くは若い子が好きで,特に可愛くて愛嬌のある若い子はすごく好きです。可愛い子はすぐに内定が出るという話は,結構前から言われている話です。

なので,有村架純さんみたいに芸能人レベルで可愛くて愛嬌のある子なら,面接で普通に答えられれば,どこでも通るとは言わないにしても,あんなにたくさんの企業を受けずに望み通りの就活はできると思います。

 

映画としてヒットさせるために,イケメンや美人を出演させることは仕方ないことなんですけど,「これが僕たちのリアル」というキャッチコピーで宣伝している割には,佐藤健さんも有村架純さんもリアルではめったにお目にかかれないような,イケメンと美人さんなので,少し気になりました。

私は佐藤健さんも有村架純さんも普通に好きなんですよ。リアルという割には,イケメンや美人さんばかり集まって不思議だなと思っただけです。

 

ちなみに,美人やイケメンの方が就活に有利だと言う事実が変だと言う人もいますけれど,私は当たり前だと思います。

そうでない側からしたらとても厳しいことですけれど,彼らは面接官にアピールする必要もないぐらいはっきりした長所を一つ持っているわけです。なので普通の見た目の人は,その美人という長所に勝てるぐらいの長所を身に付けなければ,彼らには勝てません。

努力する美人やイケメンなんて恐ろしすぎます。もう彼ら以上の努力をするしかないです。

 

厳しい現実ですけれど,それは仕方ないと思います。

「桐島,部活やめるってよ」で神木隆之介さん演じる映画部の前田が言っていました。

「戦おう。ここが俺たちの世界だ。俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだから」

そうなんです。美人やイケメンが就活だけでなく,あらゆる面で得をするこの世界で,そうでない私たちは不利な状況にあっても彼らと戦って生きていくしかないんです。

二次元に逃げたり,異世界でゼロから始めることはできません。

なので私は,見た目は彼らに負けていたとしても,恨むことなく,心だけは彼らよりも美しく保つ努力をして生きていこうと考えました。

まとめ

「桐島,部活やめるってよ」と同じ原作者の話ですけど,この映画の方が登場人物の気持ちが分かりやすくて,私は面白いと思いました。

今の就活生は,ネットの普及から昔とは違った大変さがあって,辛いこともあるかもしれません。でも,前向きに考えて,自分を成長させながら生きていってほしいなと私は考えました。

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