ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「ブラックパンサー」の感想、あらすじ

ブラックパンサー

2018年公開のアメリカ映画。日本でも同年公開。出演 チャドウィック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン。マーベル・スタジオ製作。『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの第18作目の作品。

(C) Marvel Studios 2017

漆黒のヒーロー『ブラックパンサー』と、隠れた文明国ワカンダの国王、二つの顔を持つ主人公が、その立場に苦悩しながら戦い、自分と国家の進む道を決めていく話。

あらすじ

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で起きた国連施設の爆破テロ事件によって、アフリカ大陸の一国であるワカンダは、国王のティ・チャカを亡くしてしまった。その王位を継ぐのは、ティ・チャカの長男のティ・チャラ王子であった。

ティ・チャラ王子はブラックパンサーとしてキャプテン・アメリカたちと戦った後、祖国ワカンダへと帰り、決闘の儀式を終えて正式にワカンダ王国の新国王となったのだ。

 

ティ・チャラ王が治めるワカンダは、険しい山々と熱帯雨林に囲まれた、貧しい途上国の一つとして世界に知られている。だがそれは表の顔。本当のワカンダは世界の他のどの国にも無いような、高い技術力を持つ超文明国だった。彼らは国土から採れる地上最強の金属、ヴィブラニウムを加工することで、その高い技術力を得ていたのだ。ワカンダの歴代の王は、その事実をずっと世界に隠してきた。

それは国民とヴィブラニウムを侵略者の手から守るためだった。歴代の王はその力を隠し、他国とできる限り関わらないことで、ワカンダをこれまで守り抜いてきたのだ。ティ・チャラは彼らを心から尊敬しており、これからは父親のような偉大な国王になることを志していた。

 

そんな時、国王に即位したティ・チャラのもとに、ある知らせが届いた。それはユリシーズ・クロウという男が韓国で行おうとしているヴィブラニウム取引の情報だった。

クロウはかつて、ワカンダから250キロのヴィブラニウムを盗み出し、国民にも大きな被害を与えた男である。彼はそれから30年間、ワカンダの追跡を逃れ続けていた。

ティ・チャラは、クロウを取り逃がして悔やんでいた亡き父親の思いを晴らすためにも、彼を捕まえるため、ブラックパンサーとして自ら韓国に向かったのだ。

 

ティ・チャラたちは韓国でクロウたちと激しい戦闘を繰り広げたが、あと一歩のところで取り逃がしてしまう。

しかし、ティ・チャラが戻ってきた後のワカンダに、クロウは死体となってやってきた。それを届けた人間は、エリック・スティーブンスという名のアメリカの工作員。これまでに多くの人間を殺害してきたことにより、『キルモンガー』とも呼ばれていた男だった。

キルモンガーは、クロウを連れてきた見返りとして国王の座を要求し、自身が王となった際の大きな野望をティ・チャラたちに語った。その場にいたほとんどの人間は聞く耳を持たなかったが、ティ・チャラだけは違った。彼は次の王を決めるための決闘の儀式を、キルモンガーを相手に行うことにしたのだ。

 

ティ・チャラがそれを決めたのは、キルモンガーの正体を知っていたからである。彼はこれまでのワカンダ国王が行ってきたある過ちによって生み出されたモンスターだった。ティ・チャラは自分たちの過去の過ちを正すために、彼と向き合い戦うことにしたのだ。

そして、これからのワカンダと国民、世界を変えるために、ティ・チャラは国王としてキルモンガーに立ち向かっていく。

感想(ネタバレあり)

ブラックパンサーたちのアクションはもちろん面白いですが、加えて、現代社会について考えさせられる展開もあり、それに真正面から向き合って変わろうとするティ・チャラ王がとてもかっこよくて最高でした。盛り上がるところも、とても分かりやすかったので、シンプルにものすごく面白かったです。

マーベル・スタジオ製作のヒーロー映画ですが、他の映画との関連性があまりなくて、ほとんど単体として完成していたのも良かったです。

 

私はティ・チャラ王がキルモンガーの過去を知った後、すぐに自分を含めた国王たちの間違いを認めて、これからの国王としての新しい道をしっかりと決めていたところがとても好きになりました。

これまでの歴史の間違いを認めて新しいやり方を始めるということは、自分に直接関係ない部分も同時に背負うことになるので、まったく同じことをやり続けるよりもはるかに難しいし、辛いことだと思います。しかしそれを分かっていても、自分の考える正義のために過去と向き合って、騒動が終わったらすぐに行動に移すティ・チャラ王は素晴らしかったです。

私も彼の前の王たちと同じようなことをしているかもしれないと感じるところがありました。近くに困っている人、誰かに助けを求めている人がいることが分かっていても、自分の安全だけの心配をして、見て見ぬふりをして何もしなかったことが何度もあります。世界規模で言うと、差別や難民をはじめ、私を含めた多くの人にとっての、たくさんの同じような事例があることと思います。

そんな時代だからこそ、彼のような悪しき伝統を変えていけるヒーローが求められて受け入れられたのでしょう。ヴィブラニウムの先端技術を使って世界をより良く変えていきながら、良き伝統も大事にして様々な人たちを尊重することができるティ・チャラ王は、今の時代の理想のヒーローであり、理想の人間だと感じました。

 

私はこれまでマーベル映画のヒーローの中ではキャプテン・アメリカが一番好きだったのですが、これを観てからは、完全に陛下が一番に移り変わりました。ヒーローのブラックパンサーとしてだけではなく、一人の国王、一人の人間としての考え方や学び方が、とても成熟なさっており憧れます。

「人間というものは、本来他人とつながりを持てるものです。困難の時代に賢き者は橋を架け、愚かな者は壁を作る。自分と異なる人々を認め、相手を受け入れる勇気を持ちましょう。この星に生まれた地球人という一つの種族として。」

映画「ブラックパンサー」ティ・チャラ国王陛下のお言葉

と、陛下は仰っていました。頭では理解していても、実際に行動に移すのはとても難しいことです。しかし、陛下がそんなまっすぐな言葉で仰り、さらに身をもってそれを実行されている姿を拝見すると、私ごときが怠けているわけにはいかないと思わされました。

人間はみんな違って当たり前なのだから、相手を尊敬して受け入れる勇気を持てば、誰からでも自分に無いものを学べるのだと私は思います。なので、陛下が仰ったことを胸に刻んで、これからいろんな人の良いところを受け入れて、吸収していきたいと思いました。そして陛下のような立派なお方に、少しでも近づけたら幸いです。ワカンダフォーエバーです。

アクションシーンについて

ヴィブラニウムの装備を使ったハイテクなアクションシーンも派手でかっこよかったですが、肉体の戦闘技術を上手く使ったシーンも多くて、最後まで飽きなかったです。

特に、最近のマーベル映画ではあまり見ないような、上半身裸姿に刃物をもって戦うような決闘シーンは、直感的に危険なことが分かってヒヤヒヤしました。ヴィブラニウムを使った技術はすごいですが、陛下もオコエたちもキルモンガーも、みんなそれに頼りきった戦い方をしているわけではないのが、かっこよかったです。やはり何でも基礎は大事なのだなと思いました。

 

ブラックパンサーのスーツに関しては、とてもワクワクするくらいの仕掛けばかりな上に、普通に強くてかっこよかったです。ですが、普通の相手には負ける気がしないくらい強いので、終盤の乱闘の時には少し緊張感が無いように感じました。

しかし、キルモンガーと戦うときの、お互いのスーツ無効化はとても熱い展開で好きでした。走る輸送車を挟んで会話する場面も良かったです。話しながら戦うと余裕に見えることもありますが、そうやって立ち止まって話さざるを得ない状況にして会話するというのは、上手いなと感じました。

その他の気になった点について

陛下のキャラクターは素晴らしかったのですが、キルモンガーのキャラクターもとても良かったです。やり方は過激でしたが、父親の意志を受け継いで、陛下とは別の正義のために戦っている人でした。

彼らの過激な行動を受けたことによって、陛下は国の方針を変えられたようなものなので、ワカンダの知識と資源が世界で分かち合えるようになったのは、キルモンガーのおかげと言えるかもしれないと私は思いました。

 

しかし、キルモンガーの傷だらけの体は少し怖かったです。そこまでの覚悟を背負って行動しているのは分かりましたが、私としてはそれを見るのは決闘のシーンだけで十分でした。『クリード』に出ていたマイケル・B・ジョーダンさんは、かっこよく鍛えられたボクサーの体で、いつまででも見られましたが、キルモンガーの彼については、早くちゃんとした服を着てほしいと思いながら見ていました。終盤になると、キルモンガーもブラックパンサーのスーツを着て、話の展開的にとても盛り上がりますが、私はその盛り上がりに加えて、彼が肌を見せない服を着てくれたことの嬉しさも同時に感じていました。

 

ブラックパンサーのナノマシンで現れるスーツはとてもかっこよかったです。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に出てくるアイアンマンも同じような感じになっていましたが、ナノマシンってすごいなと思います。ナノマシンがすごいのか、ヴィブラニウムがすごいのか分かりませんが、とにかく何でもありですごかったです。

まとめ

アクションだけでなく、現実世界においてとても考えさせられる展開もあって、あらゆる面でとても深く楽しめる映画でした。国王として、これからの世界のことを考える陛下の人間性が素晴らしかったです。

この作品を観た人へのおすすめ

www.sasakimovie.com

www.sasakimovie.com

www.sasakimovie.com

www.sasakimovie.com

www.sasakimovie.com

www.sasakimovie.com