ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「シンデレラ」(2015年)の感想,あらすじ

シンデレラ

2015年公開のアメリカ映画。ディズニー製作の実写映画で,1950年公開のアニメ映画『シンデレラ』の実写版。

(C) 2014 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

幸せな家庭に生まれたが,母親を亡くした後やって来た継母と義理の姉たちに使用人同然のひどい扱いを受けていた少女エラ。彼女が舞踏会の夜に王子と踊って運命的なものを感じ,勇気を出して身分違いの結婚をしようとする話。

あらすじ

遠い昔,エラという女の子がいた。彼女はまるでプリンセスのように両親にとても愛されていた。王冠もお城もないがエラは小さな王国の女王だったのだ。森のはずれの屋敷で何世代にもわたり,彼女の家族は動物たちと一緒にここで暮らしていた。

お父さんは商人だった。外国へ行き,いつもエラにお土産を持って帰ってきてくれていた。お母さんは動物たちに優しい人で,『ちゃんと耳を傾ければ動物が話しかけている言葉も分かる。それを聞いてお世話をしなさい。私たちのお世話はフェアリー・ゴッドマザーがしてくれる。』とエラにおとぎ話を語るように言って聞かせていた。

一家は幸せをかみしめながら,心から愛し合って暮らしていた。けれどどんな幸せな王国にも悲しみは訪れる。母親が病気で倒れたのだ。

エラの母親は,どんな時でも勇気と優しさを持ち続けるということをエラに約束させて亡くなった。

 

時が経ち悲しみは思い出に変わったが,エラの心は変わらなかった。お母さんとの約束を忘れず,勇気ある優しい娘に成長していたのだ。

しかしお父さんは新しい幸せを求めるようになった。ある日お父さんは,旅先で出会い旦那を亡くしたトレメイン夫人と再婚したいという話をエラに告げた。エラはそれを聞いて少し戸惑っていたが,お父さんが幸せになれるならと彼の再婚を許した。

そして継母のトレメイン夫人と義理の姉になるドリゼラとアナスタシアがやって来た。義姉たちはエラの家を農家の家だと言ってバカにしていた。

 

トレメイン夫人は愛する人を失った悲しみを美しく身にまとったような人だった。彼女はエラたちの家にやって来てから,毎日派手なパーティを開いて豪華に暮らしていた。しかしエラのお父さんはパーティには出ておらず,前の旅から戻って来たばかりだというのに,また二,三か月仕事の旅に出る準備をしていた。

お父さんが旅のお土産は何がいいかエラに聞くと,彼女はお父さんが旅に出て最初に肩に触れた枝を欲しがった。なぜそんなものを欲しがるのか理由を聞くと,彼女はお父さんが旅の途中でそれを見るたびに自分のことを思い出すからだと答えた。彼女は無事にお父さんが帰ってくることを何より望んでいたのだ。

そんなエラにお父さんは自分が留守の間,義理の母親や姉と仲良く過ごしてほしいと頼み,旅立った。

お父さんが旅立つと,トレメイン夫人は自分の娘二人の部屋が狭いということをエラに話した。エラが優しさから自分の部屋を使っていいと言うと,その後トレメイン夫人はそれにつけこんでエラを屋根裏部屋へ追いやったのだ。

継母たちに冷たくされるエラは毎日届くお父さんの手紙に慰められていたのだが,ある日の午後遅く,お父さんが亡くなったという知らせが届いた。

 

生きていくために継母は雇い人たちを解雇し,二人の妹と共にエラを娘ではなく召使いとして扱うようになった。家事はすべてエラが行い,エラにとって友達と言えるのは小さなネズミたちだけだった。隙間風の吹き抜ける屋根裏部屋はあまりにも寒かったので暖炉の前に横になって暖をとることもあった。

暖炉の灰を被っていたエラを見て継母たちは,灰を英語でシンダーということからシンダーエラを縮めて,それからはシンデレラと呼ぶことにした。

 

継母たちに酷いことをされる生活が嫌になったエラは馬に乗って屋敷から逃げ出した。そして森に入ると,通りすがりで狩りをしていた王子に出会った。王子はエラに名前を聞いたが彼女は答えなかった。エラが自分のことを知らなかったことに王子は驚き,自分のことを宮殿で見習いをしているキットと名乗った。周りの人に酷い扱いを受けているにもかかわらず勇気と優しさを忘れずに生きようとするエラに王子は興味をひかれ,エラもその状況の自分を優しく慰めてくれたキットに好意を持った。

しかし王子の側近が迎えに来たため,二人はまた会いたいという気持ちを伝え合って,別れを惜しみながらその場を去った。

 

王子は宮殿に帰り、森で出会ったエラのことが気になっていることを,王である父親に話した。しかし王はその話を聞いていい顔はせず,王子には国を守るために他の国の王女と結婚してほしいという事を伝えた。王は王子の花嫁を探すために舞踏会を開く準備をしていたが,エラのことが気になっている王子は乗り気ではなかった。そこでもう一度エラに会うために彼は,舞踏会に出る条件として国民の若い女性全員を招待することを提案したのだ。

街に出ていたエラがその話を聞くと,彼女は再び宮殿にいるキットに会えると大喜びした。トレメイン夫人と姉たちも,王子に出会ってその心を掴むことができれば大金持ちになれると考えて興味をそそられていた。

エラは舞踏会に行きたかったが,トレメイン夫人が自分と娘の分しかドレスを頼んでくれなかったため,彼女は動物たちと共にお母さんのドレスを自分で仕立て直して準備した。しかしお母さんのドレスを着てエラが舞踏会に行こうとすると,継母たちはそれをボロだと馬鹿にして破ってしまったのだ。

 

舞踏会に行けなくなっただけではなく,お母さんのドレスを破られたエラは悲しんで泣いた。しかしそんな時、ある老婆が彼女に声を掛けた。その老婆の正体は,昔お母さんが語ってくれたフェアリー・ゴッドマザーだった。彼女はエラを舞踏会へ向かわせるため魔法でかぼちゃを馬車に,ネズミを馬に,トカゲを従者に,ガチョウを馬車の御者に変えた。そしてエラのドレスはきれいな青いドレスに変えたのだ。馬車に乗り込む寸前,エラの靴がボロなことに気付いたフェアリー・ゴッドマザーは新しいガラスの靴を作って彼女に履かせた。

フェアリー・ゴッドマザーはエラが出発する直前,真夜中を告げる鐘の音の最後の響きが消えた時,魔法はすべて解けてあらゆるものが元に戻るということを教えて,彼女を見送った。

 

舞踏会の会場ではエラの姉たちや他国の王女が王子にアピールしていたが,彼は舞踏会に到着したエラの美しいドレス姿を見て,一直線に彼女の元へと向かいダンスを申し込んだ。エラはキットが王子だったことを知って少し驚きながらも,その提案を受け入れたのだ。その後,二人は広間から抜け出して王子の秘密の場所で楽しく過ごした。だが,彼に名前を聞かれてエラが答えようとした時,ちょうど12時の鐘が鳴り始めた。それを聞いた彼女は夢のような時間だったと言い残し,焦るあまり片方のガラスの靴を落としながら走り去ってしまった。

宮殿で楽しい時間を過ごしたエラは,家に持って帰った片方のガラスの靴を継母たちに見つからないように大切にしまった。しかし王子とのダンスを思い出して楽しそうにしているエラの様子を見て,娘を王子と結婚させる計画が上手くいかなかったトレメイン夫人は彼女を怪しんでいたのだ。

 

その後王は亡くなり,王子は新国王となった。そして舞踏会に現れた謎の女性が名乗り出て,同意が得られればすぐに結婚するというおふれを出したのだ。

それを知ったエラは家に帰って,隠したガラスの靴を探したがトレメイン夫人に見つかって取られてしまっていた。エラがなぜこんなひどい仕打ちをするのかとトレメイン夫人に聞くと,彼女は衝撃の理由を話しエラを屋根裏部屋に閉じ込めたのだ。

 

しばらくして,王子の部下一行が謎の王女を探してエラの家にやって来た。だが,閉じ込められているエラには気付かなかった。彼らは謎の王女探しは諦めて帰ろうとしたのだが…。

感想(ネタバレあり)

アニメ版との違い

私はアニメ版の『シンデレラ』も見たことがあって,それももちろん好きなんです。あんなにシンプルで分かりやすい話はあまり無いし,音楽も演出もとても良くて好きなんです。そしてこの実写版はその大まかなストーリーはそのままでアニメ版では語られなかったところを描いているので,より深みを感じられて私はこれもいいなと思いました。

 

一番違うなと思ったのが,継母のトレメイン夫人の過去が描かれていて,彼女の性格がより人間らしくなっていたことです。

アニメ版だとただ理由も無くシンデレラに意地悪をする悪いキャラクターで,記号みたいだなという感じの思いが私にはありました。例えば3〇2=5という数式を成り立たせるために〇に+を入れるみたいに,シンデレラが苦労してるって思わせて,彼女の邪魔をするためだけに存在しているキャラクターだなと思っていました。

でも実写版では,彼女がエラの父親と結婚した理由がちゃんとあり,エラをいじめていた理由も分からなくもないなという考え方で,より人間味があるキャラクターになっていて良かったと思います。そしてアニメ版だと継母は悪いだけのキャラクターだったので,意地悪な上にそんなにきれいだとは言えない見た目で,なぜシンデレラのお父さんはこんな人と再婚したんだろうと思う面がありました。それも実写ではきれいな女性になっていて,再婚するのも割と納得するような人になっていました。

悪役に関しては,良い人の面をまったく見せない方がいいという考えもあるかと思いますけれど,この話の場合は私は見せたほうがいいと思います。

例えばヒーローものとかだとボコボコにした後,実は別視点では良い人だったとなると何だか申し訳ない気持ちになるし,極悪人の方が報いを受けた時に爽快感がある気がします。でもシンデレラの継母の場合は,実の娘が二人もいてシンデレラの父親と結婚する前に結婚していた相手がいるわけですから,生まれつきの極悪人なわけがないと思います。だから,私は娘想いなシーンや人間味があるシーンが少しあった実写版のトレメイン夫人の方が好きだと感じました。

 

王子についての印象も同じで,アニメ版だと舞踏会で一回会っただけのなのに,シンデレラにまた会うためにガラスの靴を国中のみんなに履かせてサイズがあった人と結婚しようとするという,シンデレラと結婚するためだけに存在しているようなキャラクターだと思ってました。それが実写版だと,王族でないエラとの結婚を反対されていたり,父親とのエピソードもあったりして,よりエラに対する思いが強くなったように感じました。

 

そして,エラとお母さんとのエピソードがアニメよりも描かれていたのも良かったです。エラがいじめられているシーンや,お母さんのドレスを馬鹿にされたり破られたりするシーンは本当にかわいそうでした。

 

これまで書いたみたいにアニメ版よりも実写版の方が,人間のキャラクターの内面が良く描かれていたような気がします。でもアニメ版はそれが無いからこその単純明快で見やすいロマンチックなストーリーになっていたんだと思います。なのでシンデレラのストーリーを知らない人はアニメ版を見たほうが感動できるかもしれません。けど,今現在シンデレラのストーリーを知らない人はほとんどいないとも思います。アニメ版『シンデレラ』のストーリーをあまり変えないまま,知っている人が楽しめるようにうまくアレンジした映画だなと感じました。

しかしアニメ版では実写版よりも動物のキャラクターの活躍がかなり描かれていて,継母や王子よりも,猫とネズミの方がはるかに多くの出番があったような気がします。アニメ版を見ていた自分としては少し寂しい気もしますけど,実写として人間のキャラクターを掘り下げるなら仕方ないかなと思います。

 

細かいことを言うと,アニメ版のフェアリー・ゴッドマザーは馬車の御者は馬を変身させて,従者は犬を変身させていたと思うんですけど,実写版ではガチョウとトカゲに変わっていました。それは何で変えたのか私には分かりかねます。CGでの見映えがそっちの方が良かったと考えたからでしょうかね。

気になった点

アニメ版と違って実写だと,エラと王子は舞踏会の前に出会って話しているから,王子はアニメの時みたいに見た目だけで決めるような軽い男じゃない,と言う感じになっていたと思います。しかし一回会って普段着を見せているからこそ,舞踏会で再会した時には魔法が解けた姿を王子に見られても構わないんじゃないか?という疑問が,クライマックスまで私の中で残っていました。

でもその疑問はクライマックスでうまく解消されて,結局よくできているなと感動させられました。ありのままの灰かぶりでシンデレラの自分を愛してくれるかどうかが不安だったんですね。それを見せることが母親と約束した勇気につながるというのはとても綺麗にできているなと思いました。『本当の魔法は,あなたの勇気。』というキャッチコピーは,映画を見終った後見ると,なかなかいいなと思いました。最後に大事なのはやっぱり魔法ではなく勇気ですね。

 

そしてアニメ版では,特に王子と結婚したいと思っていないシンデレラがどうして舞踏会にそんなに行きたいと思っているのかということも私は疑問に思っていました。女の子だしお母さんのドレスを着る機会が欲しいのかなと自分で納得させていたんですけれど,実写版では一度キットとして出会うことで,その疑問を思わなくさせていましたね。

 

それからトレメイン夫人がエラの家にやって来た直後の,エラのお父さんの言動が少し気になりました。お父さんが旅の準備をしているときに,お母さんはこの家でいつも一緒にいるという事を,寂しがるエラを慰めるために話してあげることは良いと思ったんです。でもトレメイン夫人が家にいる時に,前の奥さんにとても会いたいってあんな真剣に言ってはいけないと思います。娘のために仕方ないとは言っても,トレメイン夫人への何かしらのフォローの言葉もエラに言うべきだと思いました。やっぱり自分が新しい奥さんとして迎えたわけですから,今の奥さんが家にいる状況で前の奥さんが恋しいとかの言葉を,そのまま言うのは良くないと思います。こればっかりはトレメイン夫人は,嫌な気持ちになって仕方ないと同情できます。

このせいでお母さんに似ているエラの扱いがより悪くなったのかもしれませんからね。でもトレメイン夫人がエラのお父さんに好意を持っている描写が一切ないので,正直あまり分からないです。

 

アニメ版で何度も流れていた名曲『ゆめはひそかに』が実写の劇中で歌われなかったのはちょっと残念に思いました。確かに実写版のエラが歌う曲としては合わないかもしれませんけど,あれだけ有名な曲なのに実写で歌っているところを見れないのかって少し思いました。

その他

この映画はアニメ版『シンデレラ』の実写化なので,実写と比べてどうかという考えになりがちですけど,関係なく見ても十分楽しめると思います。

まず主人公のエラがとてもいい子なので,彼女が単純に幸せになってほしいなって思えました。特にお父さんの旅のお土産に何が欲しいと聞かれたときに,『旅でお父様の肩に最初に触れた枝が欲しい。旅の間それを見るたびに私を思い出すから。』と言ったのがとても可愛くて良かったです。それから個人的には鳥小屋から卵を取る時に『とっても見事な卵ね。うれしい。ありがとう。』と鶏に言っていたのを見た時もまた,いい子だなと思いました。

また,魔法で従者に変えられたトカゲさんも優しくて好きでした。エラが舞踏会の会場に着いて、自分がただの女の子で王女じゃないことを不安に感じていた時、『私もただのトカゲでお付きの者じゃありません。このひと時を楽しみましょう。』と言っていたのが、とても心に残りました。

 

それとフェアリー・ゴッドマザーの魔法のCGがとても綺麗だったのも印象的でした。特にかぼちゃの馬車を出すときの演出とドレスのキラキラの演出がとても綺麗でした。フェアリー・ゴッドマザーの吹き替え版のナレーションもまた,絵本を読み聞かせてもらっているような優しくて聞きやすい声で良かったです。

まとめ

アニメ版の『シンデレラ』と大筋は変わっていませんが,人間のキャラクターのアニメでは描かれていなかったところが描かれていたりするので,話を知っている人でも楽しめる作品だと思います。馬車やドレスがとても綺麗で,映像面でも感動的でした。アニメを見た人でも十分楽しめる良いアレンジをしている話だなと思いました。

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