クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜
2019年公開の日本のアニメーション映画。『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズ第27作。監督 橋本昌和。主題歌 あいみょん「ハルノヒ」。
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK2019
家族みんなで新婚旅行に行った先で、ひろしが謎の集団に誘拐されてしまい、みさえとしんのすけたちが彼を取り戻すために冒険していく話。お互いに家族を思い合う野原一家と、夫婦としてのみさえとひろしの気持ちが描かれる。
あらすじ
新婚旅行に行っていなかった野原一家のひろしとみさえは、ある日格安の新婚旅行ツアーを見つけ、それに家族みんなで参加することを決めた。
行き先はオーストラリアの秘境、グレートババァブリーフ島。50年に一度の金環日食の日に、お姫様に花婿を差し出すことでご褒美としてお宝が得られる、という伝説がある島だった。
みさえはその金環日食を使ったラブラブな家族写真を撮ることを、ずっと楽しみにしていたのだ。
しかし、ラブラブで過ごすはずだった新婚旅行に来ていても、普段通りふざけて過ごすひろしを見て、みさえは彼に怒ってしまう。
その後彼女はある大事なことに気づきひろしに謝ろうとするのだが、みさえがそれを伝える前に、ひろしは突然家族の前から姿を消した。
ひろしはその島に住む謎の仮面族にさらわれていた。お宝を得るために姫に差し出される伝説の花婿として、何故かひろしが選ばれたのだ。
みさえとしんのすけたちは愛するひろしを取り戻すため、仮面族が暮らす危険なジャングルへと足を踏み入れる。だが、ひろしの身を求めるのは仮面族と野原一家だけではなかった。伝説のお宝を狙う世界中のトレジャーハンターもまた、お宝のカギに選ばれたひろしを奪おうとしていたのだ。
仮面族とトレジャーハンターたちの激しいひろし争奪戦が繰り広げられる中、しんのすけたちは道中で出会ったインディ・ジュンコという名のアンラッキーな美人トレジャーハンターと協力しながら、ひろしのいる場所を目指して進んでいく。
そしてその後、彼らの冒険はみさえたちの愛が試されるとても険しいものになっていくのだった。
謎の姫のためにさらわれたひろしの運命は…。そして、ラブラブなものになるはずだった野原一家の新婚旅行の結末は…。
感想(ネタバレあり)
ひろしとみさえがラブラブな様子がとても微笑ましくて、彼らがお互いや家族を大切に思っている様子にはとっても感動させられました。
そんな感動要素に加えて、ストーリーも序盤で出た話をしっかりと終盤で使っていて、上手くまとまっていたように思いました。さらに罠が張り巡らされたジャングルの冒険に、面白いギャグもたくさんあって、全体的にとても楽しく観られました。
笑えて感動もできるクレヨンしんちゃんの映画として満足できました。ゲストキャラクターのジュンコさんも良かったです。
みさえとひろしについて
中盤の、みさえが新婚旅行にかけていた思いを語る場面がとても印象に残りました。
普段は見られないようなみさえの苦労と同時に、そこまでして家族みんなとの新婚旅行の時間を楽しみにしていたのだという思いに感動させられました。
その時のしんちゃんの呑気な歌声もまた、そんな気楽に過ごすしんちゃんたちを守ろうとする、優しいみさえの気持ちが直接伝わってくるようで良かったです。
また終盤で、MISIAさんの「Everything」を歌うみさえの歌声が流れながら、ウエディングドレスを着た彼女が階段を駆け上がるシーンも、とっても心に響いて泣けました。
しんちゃんたちのパパとしてではなくて、夫としてのひろしへの強い思いが、そのまま歌詞になっているように聞こえました。そんなひろしを取り戻すために、せっかくのウエディングドレスをボロボロにして走っている姿がとても健気で、頑張れと素直に思いました。
最初の方にひろしが歌う「HELLO」が流れた時も、彼のみさえへのまっすぐな思いを感じて微笑ましかったです。
ひろしに関してもみさえと同じように、常に家族のために行動していたところが優しくて良かったです。
そしてみさえのことはいつまでも大好きでお宝のように思っている、というのをしんちゃんに伝えるシーンは、とてもかっこよかった。昔のみさえとのやりとりが最後に重なるところは、その思いが変わっていないとも感じられて安心しました。
みさえとのツーショット写真と家族写真をいつも持ち歩いていて、それをとても大事にしていたところを見ても、やっぱりいいお父さんだなと感じました。
しんちゃんたちとのやりとりについて
序盤のひろしが一緒にいる時から最後まで、みさえとひろしが子供たちの世話をするシーンが多かったのも印象的でした。どちらかに任せっきりにすることはなく、二人で協力して子供を育てている感じが良かったです。
そのために計画通りに進まなかったり上手く動けなかったりする場面は何度もありましたが、守るものがあるからこそ頑張れるという描写も一緒に描かれていたのが、とても優しくて好きでした。
エンディングについて
野原一家がその旅で撮った写真が流されるという、とても優しい雰囲気のエンディングが良かったです。
ラブラブな家族写真を撮りに行ったみさえたちでしたが、それだけではなくて、ジュンコさんとしんちゃんの二人の決めポーズの写真なども含まれていて、それらの一つ一つがとても楽しそうな雰囲気に見えました。
ひろしとみさえが、これからもしんちゃんたちとこんな風に楽しい思い出を作っていくのかなと思うと、流れていたあいみょんさんの「ハルノヒ」の歌詞とも重なって、最後の最後まで感動できました。
あいみょんさんの「ハルノヒ」スペシャル映像が公開されていたので、貼っておきます。
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK2019
まとめ
ひろしとみさえが、家族やお互いを大切に思い合う気持ちにとても感動させられる映画でした。ストーリーも上手くまとまっていた上に、冒険や面白い要素もあって、クレヨンしんちゃんの映画としてとても満足でした。
特に、テレビではあまり見られない夫婦としてのみさえやひろしの思いが見られたのが良かったです。
使われていた歌も印象的でした。みさえとひろしが歌っていた歌や、あいみょんさんの「ハルノヒ」が本編にマッチしていて、全部で感動できました。
私は声優の神谷浩史さんが好きなので、来年の映画は少し楽しみです。
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