名探偵コナン 紺青の拳
2019年公開の日本のアニメーション映画。劇場版『名探偵コナン』シリーズ第23作目。監督 永岡智佳。ゲスト声優 山崎育三郎、河北麻友子。
c2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
名探偵コナンが怪盗キッドによって強制的にシンガポールに連れて行かれ、キッドを助けるために事件を解決していく話。宝石を盗もうとするキッドと最強空手家の京極真の対決や、京極と園子の恋愛も描かれる。
あらすじ
少し前に高校生探偵、工藤新一の恋人となった毛利蘭と彼女の友達の鈴木園子は、園子の恋人で400戦無敗の最強空手家、京極真の試合を応援するためにシンガポールに行くことになった。
もちろん新一も誘われていたが、彼の体は幼児化した江戸川コナンになっていてパスポートがないため、コナンは行きたくても行けなかった。なので蘭たちは仕方なくコナンを日本に残し、シンガポールに旅立ったのだ。
だがその後日本に残るはずだったコナンも、怪盗キッドによって無理やりシンガポールに連れて行かれてしまった。
蘭たちに正体を知られてはいけないコナンは、変装しアーサー・ヒライと名乗ることで、蘭たち一行と行動を共にすることになったのだ。
キッドが今回狙っていた宝石は、19世紀末に海賊船と共にシンガポール近海に沈んだとされていた、世界最大のブルーサファイア『紺青の拳(こんじょうのフィスト)』。しかし彼がその宝石を盗む前に、キッドはなぜか近くで起きた殺人事件の容疑者になってしまっていた。彼はその容疑を晴らしてもらうために、コナンをシンガポールまで連れてきたのだ。
コナンがシンガポールに来た後、キッドは紺青の拳を盗むため、ある地下金庫に侵入した。だがそこには世界最強の防犯システム、京極真が待ち受けていたのだ。
その後、コナンはキッドと協力しながらシンガポールで起きた殺人事件の捜査を始める。すると彼らは、シンガポール全体をも揺るがすような恐るべき計画を知っていくのだった。
黒幕の手により、蘭と園子に危険が迫っていると気づいたコナンと京極は、全力で愛する人を守ろうとするのだが…。
果たして、怪盗キッドとシンガポール全体を危機に陥れた犯人の正体は…。そして、月下の奇術師・怪盗キッドと蹴撃の貴公子・京極真の対決の結果は…。
感想(ネタバレあり)
犯人の動機やトリックなどの謎解き要素は少しこじつけ感があった気もしましたが、終盤の派手な展開の中でコナンたちが敵をどんどん倒していくアクションシーンを見ていると、推理とか割とどうでもよくなりました。その様子は見ていて爽快で、単純に面白かったです。シンガポールに行ったみんなに戦闘シーンでの見せ場があって、特に最後の京極さんはすごく強くて絵も迫力があったので盛り上がりました。
また、メインキャラクターたちのテレビでは見られないやり取りが多く描かれていたので、キャラクターが好きな人にとっては、彼らのやり取りはかなり楽しめるかもしれません。
キッドとコナンが京極さんの能力を解放して飛び去って行くシーンは印象的でした。
まるで凶暴なライオンを檻から野に放つかのようでした。最初の「アベンジャーズ」のハルクの変身シーンのような安心感があって、彼からオーラが見えてきたときには、もう勝ったなと感じました。
よくよく考えてしまうと引っかかるところはありますが、勢いで観ると楽しめる映画だったと思いました。
キャラクターについて
やはり、園子を守るために一生懸命に戦う京極さんがかっこよかったです。
最後の絆創膏を園子が見るシーンは、二人が思い合っているラブラブな様子が見られて、とても微笑ましかったです。普通に無敵に見えるけれど、実は園子との思い出を支えにしていた結果だったというのは、京極さんの不器用な優しさが出ている気がして、その意外な繊細さに少し感動しました。
逆に京極さんを一途に思う園子も、また可愛かったです。今までのアニメでは見られなかった面が見られました。
しかし怪盗キッドについては、私は少し物足りなかったです。キッドが何度も犯人の策略にはめられて、その度にコナンに助けられていた印象がありました。キッドがあまり頼りにならなかったので、対等な感じがしませんでした。
ですが、基本的に二人が仲良しで助け合っていたのは良かったですし、犯人を捕まえて推理ショーをする彼らはかっこよかったです。
気になった点について
メインのキャラクター描写やアクションは楽しめましたが、ストーリーで納得できないところがいくつかありました。
ミステリーの要素がとても少なかった印象を受けました。
戦闘がとても大規模になっていくのは今に始まったことではないですし、盛り上がったから良いのですが、それを起こした人たちの動機がよく分かりませんでした。そんなにまでして宝石が欲しいと思っていたのは少し違和感がありました。
そして蘭が最初からキッドの変装を見抜いていたことですが、シンガポールにいる間、キッドの逮捕に協力することもなければ、新一を避けることもなく、何もしなかったのが不自然に思いました。
またそれに気づくなら、アーサー・ヒライがコナンということにも気づいてほしかったです。
キッドと京極さんの対決があまりなかったのも少し残念でした。
まとめ
ミステリー要素があまりなかったですが、京極さんをはじめとしたアクションがとても派手だったので楽しめました。特に最後は京極さんのすごい強さに盛り上がりました。
京極さんと園子の描き方も良かったです。しかし、キッドの活躍は少し不満でした。
他にもいろいろと突っ込みどころはありましたが、勢いで観て気楽に楽しめる映画だとは思いました。私は謎解きが多くて、安室さんとコナンが対等な感じがしていた前作の方が好きです。
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