ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「塔の上のラプンツェル」の感想,あらすじ

塔の上のラプンツェル

2010年公開。アメリカのアニメーション映画。日本では2011年公開。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの長編作品50作目。

(C) Disney Enterprises, Inc.

魔法の髪を持って生まれて,その力を利用するために誘拐され,ずっと塔の中だけで暮らしてきたラプンツェル。彼女が泥棒のフリンが塔に来たことをきっかけに外の世界に出て,自由な生活や他人を思う心の素晴らしさに気付いていく話。

 

あらすじ

これはラプンツェルという女の子の話。

 

始まりは太陽だった。

昔々,太陽のしずくが大空から落ちてきて,その小さな一滴から魔法の金色の花が生まれた。

その花には怪我や病気を癒す力があったのだ。

 

何世紀も過ぎて,そこから目と鼻の先に王国ができた。王様とお妃様は皆に慕われていたが,もうすぐ赤ちゃんが生まれるという時に,お妃が病気になった。お妃の病気は手の施しようがないほど重いもので,人々は奇跡を探し求めた。どこかに咲くという魔法の金色の花だ。

 

しかし,その金色の花はゴーテルという女がひとり占めしており,彼女は何百年もの間その力を使って若さを保っていた。

彼女がその花に特別な歌を歌うと,彼女は花の魔力で若返ったのだ。

 

ある日,城の衛兵が花を探しに来たためゴーテルはそれを隠してその場を去ったが,隠し切れておらず,衛兵が花を発見した。

 

金色の花の不思議な力で,お妃様の病気は治って元気な女の子が生まれた。美しい金髪のプリンセスで,名前はラプンツェル。

彼女の誕生を祝って王様とお妃様は灯りを飛ばし,国中が幸せに包まれた。

 

だが,幸せはすぐに終わった。

 

ゴーテルが城に忍び込んだのだ。

ゴーテルは赤ん坊のラプンツェルの金色に光る髪を切って持って帰ろうとしたが,切った部分のラプンツェルの髪は茶色くなり,魔法が無くなっていった。

そのため,ゴーテルはラプンツェルを誘拐し,連れ帰った。

 

人々がいくら探してもプリンセスは見つからなかった。森の奥深くの人目に付かない塔で,ゴーテルが自分の子として育てていたのだ。

ゴーテルは新しい魔法の花を見つけた。そしてずっと秘密にしておくつもりだった。

 

外の世界に興味を持つラプンツェルには,「外は危険な場所だから絶対に出てはだめ。安全なここにいなさい。」と小さいころから言い聞かせていた。

 

でもすべてを隠しておくことはできなかった。

消えたプリンセスの無事を祈って,王とお妃が毎年誕生日に飛ばす何千もの灯りを,ラプンツェルは見ていた。

 

ラプンツェルの18歳の誕生日の前日。

彼女は生まれてからずっと切っていない,とても長い髪をとかしながら,塔から出ずに同じ生活をする日々に飽き飽きしていた。

 

明日はラプンツェルの誕生日で,王とお妃が明かりを飛ばす日。

ラプンツェルは毎年それを見るのを楽しみにしており『18歳になる明日はどうしても窓越しではなくその場で見て,あれが何なのか知りたい』と育ての親のゴーテルに言った。

しかしゴーテルは,外は危険だから出てはいけないと言って許してくれなかった。

 

その後ゴーテルが出かけて留守番をしているラプンツェルがいる塔に,ある男が入って来た。

彼はフリン・ライダーという泥棒だった。城から王女のティアラを盗んだ罪で指名手配されており,衛兵に追われているときにこの塔を見つけて,隠れるために入ってきたのだった。

彼が塔の部屋に入って一息ついていると,隠れていたラプンツェルはフライパンで彼を殴って気絶させ,ティアラが入っているカバンを隠した。

 

そして,ラプンツェルはフリンと取引をしたのだ。それは,ガイドとしてフリンに灯りが飛ぶ場所に連れて行ってもらい,ここに自分を送り返してくれれば,ティアラが入ったカバンを返すというものだった。

フリンはその取引に合意し,ラプンツェルを外に連れ出した。

 

ラプンツェルは初めての外の世界に感激して,走り回ってはしゃいだりしてフリンを振り回した。

その後,城に向かう道中で様々な人に会ったり,フリンを追う衛兵から協力して逃げたりするうちに,ラプンツェルとフリンはお互いの秘密を打ち明けるまでに信用する仲になり,惹かれあっていく。

 

そんな中,ラプンツェルが塔にいないことに気付いたゴーテルは,部屋にあったティアラと指名手配中のフリンの張り紙を手掛かりに,二人を追いかけ始めていた。

 

感想(ネタバレあり)

ストーリーについて

最初に見た時は,ディズニーのプリンセスの話なので,ラプンツェルが男の人に守られて,最終的に結婚するという,あまあまな恋愛ものかなと思っていました。しかし見てみたら,ラプンツェルがかなり派手なアクションをするので驚きました。

話の流れでは,フリンがラプンツェルを城まで案内するのですが,フリンがピンチの時には,ラプンツェルがその長い髪をうまく使ったりして,フリンを助けます。

そして,逆にフリンがラプンツェルの髪を使って彼女を助けたりもするので,どちらかが一方的に守られる関係ではなく,二人が対等な関係に見えて良かったです。

城下町に着くまでの話は,恋愛ものではなく,ラプンツェルとフリンの冒険活劇だと思います。そして町に着いてから最後までは,フリンが主役のヒーローものです。

 

基本的に二人がずっと仲良しで微笑ましかったです。

特に,酒場で歌を歌うシーンは本当に楽しそうでした。

城下町の広場で踊るシーンは,二人がなかなか近づけなくて一緒に踊らなかったので,正直じれったかったです。もう早く一緒に踊ってラブラブな姿を見せてほしいと思いました。

その後の船の上のシーンでは,二人のラブラブな姿が見れた上に,灯篭が上がる絵がとてもきれいで,さらに二人の歌もいい感じに合わさって,すごくロマンチックな感じの印象的なシーンでした。

フリンについて

この映画で私が一番魅力的に感じたキャラクターはフリンです。フリンはディズニーキャラの中でも一番の男前だと思います。

 

歌も歌うし,ジョークを言ってラプンツェルや見ている人を楽しませますし,フライパンで衛兵も倒せます。

さらに,灯りが上がるのを見たがっていたラプンツェルのために,町全体が見れるように船を用意したりする思いやりの心も持っています。

 

でも,私がこの映画で一番の見どころだと思うのは,やっぱり最後の塔のシーンです。

 

ゴーテルに刺されて死にそうなフリンをラプンツェルは魔法で治そうとするのですが,それをしてしまうと彼女がこれから自由に生きられないと思ったフリンが,彼女の髪を鏡の破片で切るシーンです。

 

すごくびっくりしましたけど,同時にすごい思いやりだと思って感激しました。

きっと自分が助かってラプンツェルがゴーテルの元で不自由な生活をするよりも,自分の傷をそのままにしてでも,ラプンツェルに自由な暮らしをしてほしいと思っていたんです。

こんなに他人のことを思えて,とっさに行動できるのはすごいです。

 

その後のフリンのセリフもまた良いんです。

髪を切った後,意識が亡くなりかけの状態で

「君が俺の新しい夢だ。」

って今までのラプンツェルとの旅に関連付けた感動的なセリフを言って,ラプンツェルの涙で助かった後,

「俺言ったっけ?その髪の色の方がいいって。」

という言葉をかけるラブラブ展開に,つい自然とニヤニヤしてしまいました。

 

この数分間のシーンだけで,フリンがラプンツェルの髪を切った時のカッコよさと,別れ際のセリフの感動と,助かった後のラブラブがあって,私の心は揺さぶられすぎました。

ここまでキャラクターのカッコよさと優しさと感動とラブラブを兼ね備えた数分間のシーンがあるのか!と思いました。

 

このシーンの破壊力が凄すぎて,フリンのことがディズニー作品の男性キャラで一番好きになりました。「魔法にかけられて」のエドワード王子も良かったんですけど,彼は脇役ですし,アホっぽいのがだめですね。

 

しかも,その名前は偽名で,子供たちに聞かせてあげてた本の登場人物にあやかりたいと思ってとった名前だという事も,またキャラクターとしての背景が見えていい感じです。

 

フリンは最後のシーンの印象もあって,すごく魅力的なキャラクターだと思いますけど,名前が二つあるところは悪いところでもありますね。

この映画のことを他の人と話すとき,フリン派とユージーン派がいて相手に合わせたほうがいいのか戸惑います。

ラプンツェルからの呼び名が一つであればそっちで呼ぶべきなんですけど,ラプンツェルも途中で呼び名を変えてますから,どちらがいいとも言えなくて困ります。

 

そんな小さな悪いことがあっても,私はフリン(ユージーン)がディズニーの男性キャラで一番かっこいいと思っています。

 

最後のシーンで言うと,私はゴーテルが塔から落ちる寸前の,ラプンツェルの心配するような仕草が好きです。ゴーテルのことを自分を誘拐した犯人だと恨んでいながら,育ての親として感謝もしてるであろう、ラプンツェルの優しいところが見えた気がしました。

長年付き合っている悪役の最期としては、最も素晴らしい表現の一つだと思います。

終り方について

この映画の終わり方は,フリンのナレーションにラプンツェルが途中から入ってきて,二人で

「そして,いつまでも幸せに暮らしました。」

と言う感じでした。

 

私はこの終わり方がとても好きです。二人が最後まで仲良しで微笑ましいからと言う理由もあるんですけど,それだけではないんです。

続編を匂わせる要素が無くて,いつまでも幸せに暮らしました,という完全なハッピーエンドという点が良かったです。

 

規模が大きくて売れた映画は続編を作ったりするものが多いと思うんですけど,私は続編を考えずにきれいに終わった作品は,なるべく続きは作ってほしくないんです。

続編は,前作の設定を引き継いで膨らますことができるのですから,面白くはなるかもしれませんし,前作が好きならきっと楽しめると思いますよ。

でも,一作目で苦労して一緒になった二人が,その後また不幸な事件や危険なことに巻き込まれたという事が分かったら,一作目の幸せな結末の感動が薄れてしまう気がしてちょっと嫌です。

続編で主人公が変わったりして前作の主人公は平和に暮らしているなら,全然いいんですけどね。

 

しかし,この映画ではフリンとラプンツェル以外に主役ができそうなキャラクターもいませんし,フリンがラプンツェルの髪を切って,今後魔法が使えなくなったことによって,続編でできることが少なくなったので,多分続編は作られないでしょう。そういう意味でも,私はフリンがしたことはすごいと思っています。

テレビシリーズではラプンツェルの髪の毛が復活してまた冒険しているそうですが,私の中では無いものとして処理しています。

 

フリンの昔話や,ラプンツェルにプロポーズした時のエピソードとかなら見たいと思います。

まとめ

元気なプリンセスのラプンツェルと泥棒のフリンの仲のいい様子が見ていて,微笑ましいです。無意識にニヤニヤします。

歌のシーンは本当に楽しそうですし,絵もとてもきれいでした。

いつ見ても楽しく見れるいい映画だと思います。

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