ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「ウォルト・ディズニーの約束」の感想、あらすじ

ウォルト・ディズニーの約束

2013年公開のアメリカ・イギリス・オーストラリア映画。日本では2014年公開。出演 エマ・トンプソン、トム・ハンクス。製作 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ。原題は『Saving Mr. Banks』。

(C) 2013 Disney Enterprises, Inc.

『メリー・ポピンズ』の原作者であるP.L.トラヴァースが、ウォルト・ディズニーたちと共に『メリー・ポピンズ』の映画を作る話。映画の製作過程と、小説の『メリー・ポピンズ』を書くきっかけとなった彼女の幼少時代が描かれる。

あらすじ

1961年

『メリー・ポピンズ』の原作者、P.L.トラヴァース夫人は、20年間ディズニーからの『メリー・ポピンズ』映画化の要望を断り続けていた。しかし新作が書けなくなり、お金が無くなったことをきっかけに、彼女は映画の話を進めることにしたのだ。トラヴァース夫人はその条件として、アニメーションにはしない、脚本は彼女の承認を受ける、ということをディズニーに提示していた。

 

ロサンゼルスのディズニースタジオに着いたトラヴァース夫人は、脚本家のドン・ダグラディと作詞作曲担当のシャーマン兄弟、そしてウォルト・ディズニーに温かく迎えられた。

ウォルトはまず、自身の『メリー・ポピンズ』への思いを彼女に伝えた。映画化することが20年前からの娘との約束であること。映画の世界に革命を起こすような作品を目指していること。そして何より、『メリー・ポピンズ』が大好きなことを彼女に伝えた。

だが、トラヴァース夫人はいい顔をしなかった。ミュージカル映画にしようとしているアニメーション界の巨匠、ウォルト・ディズニーに対して、歌やアニメーションは浮ついてくだらないものだと、彼の目の前で批判したのだ。

その後、ドン・ダグラディとシャーマン兄弟と共に、脚本を検討する打ち合わせが始まった。だが、そこでもトラヴァース夫人は、彼らが出したアイデアを否定し続けた。キャラクター設定や夢のある明るい歌、設定画の細かな点などに関してはもちろんのこと、さらには完成した映画には出ないト書きの表現にまで注文をつけた。

そしてその中でも彼女が最も強く否定した部分は、映画の中でメリー・ポピンズがやって来る屋敷の主人、ジョージ・バンクス氏についてだった。彼が口ひげを生やしていることや、子供たちが書いた広告を破り捨ててしまうシーンがあることに、トラヴァース夫人は激しく反対したのだ。

 

しかしトラヴァース夫人が強く反対するのには、深い理由があった。それは、彼女の過去によるものだったのだ。

1906年 オーストラリア

トラヴァース夫人は幼少期、きれいにひげを剃っていた優しい父親の元で育った。彼がひげを剃るのはすべすべの肌で娘とキスをするためだった。幼い夫人は父親に、絶対に夢を見るのをやめちゃだめだと言われながら育っていた。

しかしその幸せな生活は、父親のある行動によって少しずつ変わっていってしまったのだ。その変化によって、彼女は夢のような話を見なくなった。そして、『メリー・ポピンズ』を書くきっかけとなった人物に出会ったのだ。

 

映画の脚本作りを進めていくうちに、トラヴァース夫人は自身の過去のことを鮮明に思い出していき、映画への注文も出し続けた。そして、ドン・ダグラディとシャーマン兄弟、ウォルト・ディズニーたちは、素晴らしい作品を作るために、彼女の言葉を真摯に受け止め続け、物語をより良く作り変えていったのだ。

その後も、作品に対する作り手たちの強い思いがぶつかり合うことで、名作映画『メリー・ポピンズ』は完成に近づいていくのだった。

感想(ネタバレあり)

ウォルト・ディズニーたちとトラヴァース夫人の、『メリー・ポピンズ』への愛がとても強く感じられる映画でした。これだけ大事に思われて、一生懸命に作られた映画なら、名作になって当然だと感じました。やはり良いものを作るには愛が大事です。

トラヴァース夫人は、序盤は偏屈でケチに思えましたが、その過去が明らかになっていくにつれて、『メリー・ポピンズ』に込められた優しい思いが分かっていくのは、とても良かったです。ディズニー派だった私も、後半は彼女のことも好きになっていました。

そして、作っている人たちが作品のことを大事に思ってくれるのは、ファンにとってはとても嬉しいことだと実感しました。私も『メリー・ポピンズ』が大好きですから、こんなに思われて作っていたと知って、とても嬉しかったです。ディズニー好きの私にとっては、トラヴァース夫人がメリー・ポピンズたちを家族と思っているのも嬉しかったですが、ウォルトがミッキーのことを家族と思っている台詞があったことも少し嬉しかったです。

映画の『メリー・ポピンズ』に出てくる設定や音楽がたくさん登場するので、観ておいた方が確実に楽しめると思います。

価値観について

映画を面白くするために話を考えていたディズニー側の人たちと、キャラクターのことを考えていたトラヴァース夫人で、意見が別れる場面に私はハッとさせられました。どちらも作品への愛があって、素晴らしい映画にしたい気持ちは同じなのに、方向性や価値観の違いでこんなことが起こるのかと思って驚きました。その後、ミュージカルになってアニメーションも入りましたが、バンクス氏も救われるという、両方の意見を取り入れた作品になっていて良かったです。『メリー・ポピンズ』はやはり、いろんな人の意見を取り入れているからこそ、いろんな人を楽しませる名作になっているのでしょう。

トラヴァース夫人と運転手さんの劇中の会話に、『雨は命の源』と夫人が言ったのに対して『太陽もです』と運転手さんが返すやり取りがありましたが、映画も同じようなことが言えるのかもしれないと思いました。

良いと思うものや悪いと思うものは、人によってそれぞれ違っていて、価値観はいろいろありますが、どれも誰かの大事な思いによるものなので、全部が大切なのだと私は思いました。

トラヴァース夫人が、最初に見た時に何とも思わなかった景色を、映画づくりに積極的になった後では綺麗だと感じていたシーンもありました。自分の考えをしっかり持つことも大事ですが、違う考えを受け入れることでより良い気持ちを持てることもあるのかもしれません。

ウォルト・ディズニーについて

トム・ハンクスさんが演じていたウォルト・ディズニーが、とても思いやりのある優しい方で、とても良かったです。作品やキャラクターへの愛も深くて、スタジオやディズニーランドも自慢に思っているところが好きでした。トラヴァース夫人に優しい声をかけているところも良かったです。

ディズニー好きの私としては、トラヴァース夫人がディズニーのスタジオ案内を断ったことや、ウォルト・ディズニーと行くディズニーランドを嫌がったこととか、ウォルト本人にアニメーションはくだらないと言ったシーンが、軽く衝撃的でした。ディズニーファンなら絶対にやらないような行動ばかりしていたので、そんなところでも価値観の違いを感じました。

私はディズニー映画好きでもあり、映画の『メリー・ポピンズ』が好きでもあり、その上トム・ハンクスさんのことも好きです。なので、めちゃくちゃ濃い色眼鏡で見ている様なものかもしれませんが、そんな私の目線では、トム・ハンクスさんのウォルト・ディズニーは最高でした。他の人がどう思うかは分かりませんが、私の価値観では最高です。

 

個人的には、ディズニースタジオの映画の作り方がとても楽しそうだったのが印象的でした。脚本家さんや受付の人まで一緒に歌ったり踊ったりしていて、とても良かったです。あんな作り方ならば、楽しい映画も作れるはずだなと思いました。

まとめ

ウォルト・ディズニーたちとトラヴァース夫人の、作品への愛を感じられる映画でした。やはり好きなものを作るというのが、良いものを作る方法の一つなのかもしれないと改めて実感しました。価値観は人それぞれありますが、どれも大事です。『メリー・ポピンズ』はそれをうまく取り入れて名作になったのだと思います。

トム・ハンクスさんのウォルト・ディズニーが最高でした。

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