ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「博士と彼女のセオリー」の感想、あらすじ

博士と彼女のセオリー

2014年公開のイギリス映画。日本では2015年公開。原題は『The Theory of Everything』。主演 エディ・レッドメイン。

(C) UNIVERSAL PICTURES

身体中の筋肉が衰えていく難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した車いすの物理学者スティーヴン・ホーキングと、彼を支えた妻のジェーンの実話を基にした物語。

あらすじ

1963年イギリス

ケンブリッジ大学で物理学を学んでいたスティーヴン・ホーキングは21歳の時、同じ大学で文学を学んでいたジェーンと出会った。彼はその卓越した才能を活かして学問に勤しみながらも、彼女と徐々に距離を縮めていった。

 

まさにスティーヴンはその青春を謳歌していたのだが、ある日彼の体に異変が起きた。走ろうとしても足が思うように動かず、黒板に文字を書こうとすると手が震えてうまく書けなくなった。さらには、何にもない平坦な道で自分の足に引っかかって転んでしまい、彼は病院に搬送された。

医者の診断で、進行性の神経障害によって徐々に筋肉が衰えていく、運動ニューロン疾患という病気だと言われた。彼はこれからさらにやせ細っていき、最期には自分の意思で体を動かすことが一切できなくなる。余命は約2年という宣告までされてしまった。

 

スティーヴンは落ち込んで、ジェーンとも連絡を取ろうとしなくなった。しかし彼女はそれでも諦めず、彼を励まし愛していると伝えた。スティーヴンの両親には病気のこともあって反対されたが、ジェーンは彼の妻として、病気と闘いながら共に生きていくことを決めたのだ。

 

それから彼らは二人の子供に恵まれた。スティーヴンは博士になり、時間や宇宙の誕生についての彼の新しい理論は、科学界を揺るがす大きな話題となった。

しかし、仕事の成功とともに、彼の病気もまた、その頃にはさらに進行していた。彼は電動車いすとジェーンの介護無くしては、日常生活もままならなくなっていたのだ。そして、家事と育児に加え、スティーヴンの介護を一人で背負っていたジェーンの負担も、かなり大きくなっていた。

そんなある日、ジェーンは母親に勧められて参加した聖歌隊の練習で、ジョナサン・ジョーンズという男性に出会った。ジョナサンはジェーンの家庭の事情を聞くと、善意で彼女たちの家事や育児、介護を手伝うことを提案した。

 

ジョナサンは優しい男だったので、子供たちは彼に良くなつき、スティーヴンも次第に彼のことを信頼するようになった。だが、家族で楽しい時間を過ごしているうちに、ジェーンは自分がジョナサンに好意を持ち始めていることに気づき、ジョナサンも同じ気持ちであることが判明した。

しかし同じころ、スティーヴンの身体の容体が急変した。生命を維持するために気管を切開し、会話が不可能になってしまったのだ。まばたきを使うことでしか意思表示ができなくなったため、ジェーンはさらなる負担を強いられることになった。

 

ジェーンは結婚してから、常にスティーヴンの世話ばかりしていた。そんな彼女をずっと見てきた彼は、信頼できる看護士が現れたことをきっかけに、ある決断をすることになるのだった。

 

感想(ネタバレあり)

エディ・レッドメインさんの演技がもはや異次元だなと感じました。

劇中でのスティーヴンのALSの症状が進むにつれて、序盤で滑らかに動いていた彼の筋肉が、本当に動かなくなっているように見えてすごかったです。手足はもちろんですが、顔の筋肉までも動きが全く変わっているのは、もはやどうやっているのか全く分からない状態でした。

もちろん、エディ・レッドメインさんはALSを発症してはいませんから、普通に演じていたら自然に動いてしまいそうだと思うのですが、動かないんですよね。おそらく、普通に考えていたら足りないくらい、研究に研究を重ねて演じられたのではないかと思います。

もはや彼が本当のALS患者ではないほうが不思議なくらい、ALS患者だと言われたら普通に信じてしまうくらいに、リアルに演じられていたのは。本当に単純にすごいなと思わされました。

 

ジェーン役のフェリシティ・ジョーンズさんも同じくらい強烈な演技をされていて良かったです。スペリングボードを持った時の、ボード越しの彼女の顔がとても印象的でした。怖いくらいに力強かったです。大学生の時に、楽しそうに川辺でくるくる回ってた彼女と、本当に同一人物なのかと疑いたくなるくらいに、強いまなざしでした。彼への強い決意と愛の変化が感じ取れてとても良かったです。

ジェーンの苦労について

ジェーンがいろんなことで負担を強いられて苦労しているシーンは、見ていてしんどかったです。

私は特に、スティーヴンと子供たちが部屋を散らかしているところを気にしながら、スペイン文学の本を勉強していたシーンが一番心に残っています。

彼女もケンブリッジ大学に通っていた頭の良い人なので、もしスティーヴンが病気ではなかったら、こんなに苦労せずに好きなことを勉強できて、結果も残せていたのかもしれないと思うと、悲しかったです。家事も育児も、彼と協力できれば全く違う生活ができていたのかもしれないと思うと、少し悔しかったです。

スティーヴンは何も悪くはないし、誰も悪くはないのですが、それだけにやりきれない悔しさを感じました。ALSが治れば一番良かったのですけれどね。早く治療法が見つかってほしいものです。

 

二人の夫婦関係の結末については、少しの寂しさは感じましたが、あれで良かったなと思いました。

無理して暮らし続けてジェーンがスティーヴンのことを嫌いになるよりはずっと良いし、少しでも長く仲良しな関係を続けるための最善の選択だったと思います。二人とも頭の良い人ですから、おそらく二人とも分かったうえでの、別れ際の会話だったのだと思います。ジェーンがジョナサンを好きになったことについては、状況を考えれば仕方ないと思います。スティーヴンはたぶん、気づいてて別行動させたんですよね。

頭の良い人って、やっぱりいろんな人のことを考えられる優しい人が多いのだなと思いました。

まとめ

とにかく主役の二人の演技がすごかったです。

ジェーンの熱心な介護には感動もしましたが、同時に悔しさも感じました。ALSだけではないですが、早くいろんな病気に苦しむ人が救われる方法を見つけてほしいものです。

ホーキング博士ほどの天才なら、夢とか希望とかの熱い言葉はほとんど語らないのだと勝手に思っていましたが、そういうことも言っていたのが少し意外でした。人間を愛しているからこそ、世界に興味を持てたそうです。やはり多くのことを愛し興味を持つことは大事なのですね。

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