天気の子
2019年公開の日本のアニメーション映画。監督・脚本・原作 新海誠。音楽 RADWIMPS。声の出演 醍醐虎汰朗、森七菜、小栗旬、本田翼。英題「Weathering With You」
©2019「天気の子」製作委員会
雨ばかりの異常気象が続いていた東京に家出してきた少年が、天気を晴れにできる不思議な能力を持つ少女と出会い、彼女と恋をする話。
あらすじ
観測史上初の長期に渡った雨が降り続け、異常気象と言われていた東京に、森嶋帆高という高校一年生の男子が故郷の離島から家出してやって来た。
何のあてもなくやって来た帆高はしばらく厳しい生活を強いられたが、東京への船で知り合った須賀圭介という男を訪ねたことで、須賀の家での住み込みの仕事を得ることができたのだ。
その仕事は怪しげなオカルト雑誌のライター業。帆高に任された記事のテーマは、雨が降り続いている現在の東京でも、好きな時に天気を晴れにすることができる『100％の晴れ女』という噂についてだった。
帆高は半信半疑の思いでその噂についての調査を始めたが、その考えは天野陽菜という少女に出会ったことで大きく変わった。彼女が帆高の目の前で晴れになることを願うと、雨続きだったその場の空が突然晴れていったのだ。
陽菜が噂の『100％の晴れ女』ということが分かった帆高は、彼女がお金に困っていることを聞いて、その能力を仕事として活かすことを提案した。そして陽菜はその提案に乗り、二人は人々の依頼を聞いて望み通りの場所を晴れにするビジネスを始めたのだ。
雨天が続いていた東京では彼らのビジネスの需要は高く、晴れ女への依頼はすぐに殺到するようになった。彼らは東京各地の天気を晴れにしていくことで、依頼してきた人の心を次々と幸せにしていったのだ。
母を亡くして元気を失っていた陽菜は、帆高とのその生活を心から楽しむようになり、帆高はしだいに彼女に惹かれていった。
しかし良いことばかりではなかった。陽菜が天気を変えた場所はその後、それ以前よりも激しく雨が降るようになり、ついには8月の東京で雪が降る異常現象まで起こったのだ。
さらに陽菜たちは、歴史上の天気を変える能力を持っていた人間が、皆ある悲しい運命を背負っていたことも知ってしまう。
それを聞いた帆高は、陽菜を助けるために世界をも変えてしまうかもしれない大きな決断をするのだが…。
感想（ネタバレあり）
陽菜さんが天気を変える時の東京の景色がとても綺麗で、その度に驚かされました。
雨から晴れに変わる時はもちろんですが、雷や雪の天気も全部が魅力的に描かれていたので、観る前よりもそれぞれの天気が好きになれた気がします。これから現実で同じような天気になった時は、映画と比較したりして楽しめそうだなと感じました。
好きな女の子のために男の子が一生懸命頑張ったり、女の子が悲しい運命を背負っていたり、警察との追いかけっこがあったりなどの分かりやすいエンタメ要素もいっぱいでしたが、予想外な驚く展開もあって、最後まで楽しめました。
世界各地で異常気象が発生している時代ですが、他の何を犠牲にしてもいいくらいに思える大事なものがそこにあるのなら、どんな世界のどんな天気になっても何とかやっていけるのかなと、前向きな気分にさせられる物語でした。
映像と音楽について
「君の名は。」と同じく、映像の綺麗さと音楽がとてもマッチしていて、ところどころで感動させられました。
特に終盤、帆高が陽菜さんを助けるために空に行った時がすごく良くて印象深かったです。陽菜さんと世界への想いを告げる帆高の熱いセリフと、美しい空の眺めや二人の姿と、予告で何度も聞いた音楽の全てが合わさって、最高に盛り上がりました。
また、帆高たちがライターとして働いている時や、晴れ女のビジネスをしている時の様子が、歌をバックに流れる時も勢いがあって好きでした。「君の名は。」の入れ替わりの時間を描いたシーンと同じ感じでしたが、今回もそれに負けないくらいワクワクさせられました。
花火大会の天気を晴れにした時の映像も、その太陽の光が最高に綺麗で見応えありました。
どのシーンも割とリアルで綺麗で見応えがあったので、いろんな人に見て欲しいです。私は特に、光と水の描写が好きでした。
キャラクターについて
好きになった陽菜さんに会うためだけに、他のことを気にせず一生懸命に頑張る帆高の姿が、とても健気で応援したくなりました。中でも、ビルを目指して必死に走る帆高と、それを冷めた感じで見ていた大人たちとの差が印象的でした。帆高たちの行動は大変な結果を生み出しましたが、その眩しいくらいの純粋な行動を見ていると、その結果は全然許せる気がしました。
須賀さんもすごくかっこよくて好きでした。いい加減でやる気の無いように見えることもあるけれど、実際は奥さんと娘さん思いのいいお父さんで、大事な人のために頑張る帆高に共感してかばうこともできるいいおじさんでした。小栗旬さんの声もとてもかっこよくて良かったです。私は予告では黒幕っぽいなと感じていたので途中までヒヤヒヤしていましたが、普通に優しいおじさんで安心しました。
夏美さんもまたかっこよくて優しいお姉さんでした。本田翼さんの元気そうな可愛い声がよく合っていたと思います。
まとめ
陽菜さんがいろんな天気に変える東京の景色がとても綺麗で、さらに音楽も良かったので、いろんな場面が心に残って感動させられました。
これまで私は雨が降ると少し残念な気分になっていましたが、そんな雨や雪が劇中ではとても魅力的に描かれていたので、これから先は少しは楽しめるような気がします。
大事な人のために頑張るキャラクターたちが、みんなとてもかっこよくて好きになりました。
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