ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「映画 聲の形」の感想、あらすじ

映画 聲の形

2016年公開のアニメーション映画。京都アニメーション制作。監督山田尚子、脚本吉田玲子。

クラスメイトだった女の子と再開し、彼女の持つ困難を乗り越えて、友達になる話。

(c)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

あらすじ

小学6年生の石田将也の通うクラスに西宮硝子という女の子が転校して来た。

彼女は自己紹介の時に何も話さず、「私は耳が聞こえません。だから、このノートに書いてお話ししましょう。」ということが書かれた筆談ノートをみんなに見せたのだ。


転校してきたばかりの頃、クラスのみんなは好奇心から硝子に優しく接していた。

しかし、耳が聞こえない硝子を構って授業が聞けなかったり、合唱がうまくいかなかったりしたことを理由に、彼女を無視したり、悪口を言ったりする子が出てきた。そして、それはだんだんとエスカレートしていき、彼女の補聴器を投げて遊んだりするいじめまで発展していったのだ。だがそんな状況になっても、硝子は笑ってみんなと話そうとしていた。


中には硝子を気遣う子もいたが、その行動によっていじめられ、その子は転校してしまった。

そして将也も彼女へのいじめに加担してしまい、ある日彼女の補聴器を急に取って、耳から血が垂れるほどの怪我をさせてしまった。硝子はみんなから非難された将也に対し、手話で「友達になれるかな。」と伝えたが、将也には彼女の気持ちがうまく伝わらなかった。そして将也は硝子の筆談ノートを池に投げ捨ててしまったのだ。


その後のある日、将也は硝子をいじめた犯人として、今度はいじめられるようになってしまった。硝子は彼を心配してくれていたが、その後彼女は転校してしまったのだ。


そして卒業して中学生になっても将也は、クラスメイトだった人に、いじめの過去を周りに言いふらされて孤立した。そんなことがあって、高校生になった現在も彼は人を信じられず孤立していたのだ。


現状が嫌になった将也は、自殺をしようとしていた。けじめとして、昔母親に払ってもらった硝子の補聴器の弁償代を返し、手話を勉強して、いじめてしまった彼女に会いに行ったのだ。

彼女と会った彼は、昔硝子がやってくれたように、「友達になれるかな?」と手話で伝えた。すると彼女は泣いて喜んでくれたように見えた。彼は驚くあまり、自殺を踏みとどまったのだ。


毎週火曜日に手話の教室にいると聞いた将也は、何とかきっかけを作って硝子会いに行くようになった。そしてそれから時間を共にすることで、硝子や彼女の妹と仲良くなっていったのだ。


その後将也と硝子は、6年生の時の友達と再会し、新しい友達も出来て少しの間楽しい生活を送った。
だが、いじめていた子と硝子がうまくいかなかったり、昔将也が硝子をいじめていた事を新しい友達に気づかれてしまったことから、彼らの友達関係は崩れてしまう。


6年生の時に加えて、今回も彼の人間関係を崩壊させてしまったと将也に申し訳なく思い、自分を責めてしまう硝子だったが...。

 

感想(ネタバレあり)

ストーリーについて

すごく真面目なテーマのストーリーでいろんなことを考えさせられました。青春ものでほんわか観ることができた「たまこラブストーリー」とは違いましたが、とてもいい映画でした。

いじめのシーンや硝子が悪口を言われるシーンは見てるのが辛くて泣きそうでした。でも結局みんな仲良くできて良かったです。

 

硝子が将也に思いを伝えるために好きと自分の声で言おうとして、伝わらないシーンは、「たまこラブストーリー」みたいなラブコメっぽくて良かったです。

それから、飛び降りようとする硝子を止めるために将也が「西宮!」じゃなくて、「硝子!」って行った時は、かっこよくてドキッとしました。

「たまこラブストーリー」でもあったヒロインが主人公のために走るシーンがこの映画でもあって,個人的に私は好きです。


途中の将也がみんなの悪口を言うシーンでは、人はみんな欠点があって当たり前で、耳が聞こえないことはそれが目立つだけで、そんなに特別なことではないんだなと感じました。

将也にも調子に乗って他の人をいじめたり、自殺を考えたりするネガティブなところなどの欠点があり、他の人にも悪いところはあるので、みんなそんなに違わないと思います。

そんな面でも、将也が言った

「生きるのを手伝って欲しい」

という言葉は彼女にとって救いになったと思います。

欠点がある自分でも、大切な人のために何かしてあげられると理解できれば、生きるのが辛い人でも、少しは前向きになれるのではないかと感じました。

 

気持ちを伝えることというのは、本当に難しいとも思いました。同じように見える立場の人同士ですらそうなのですから、自分と全く違う環境で育った人に対しては、さらに難しいことです。どんな人でも相手のことを理解しようとして、ちゃんと伝えよう、ちゃんと聞こうと思うことが何より大事だと私は考えました。

これからは耳が聞こえないだけではなく、自分と境遇が全く違う人と会った時に、その人のためにどうすればいいかと考えさせられました。

 

ただ、子供同士となると話は別ですね。大人でも分からないことがあるのに、小学生に自分と全く違う境遇の人がどう思うか、なんて理解するのは難しいです。

本当に難しい問題だと思いますけど、周りの大人がまずちゃんと説明して、最初は落ち着くまで見守るのが一番なのかなと思いました。

 

硝子の声優の早見沙織さんも、とても難しい役だったと思いますけど、リアルに演じていてすごかったです。実際にたくさん勉強されたみたいで、硝子という役に真剣に向き合っているという気持ちが伝わってきました。

キャラクターについて

この映画のキャラクターは、みんな個性的でした。ほとんどの人は優しい印象ですが少しずつ欠点を持っていて、嫌いじゃないけど気になるところがあるなって感じでした。

中でも元クラスメイトの植野さんの事は、途中まですごく悪い子だと誤解していました。彼女は不器用で言いたいことを素直に言う性格だけど、優しい心は持っている子なんですね。文化祭のシーンで手話の勉強をしてきてたと知った時に、一気に好きになりました。照れ隠しに悪口を手話でやったのに、硝子に嬉しがられて照れる姿が可愛かったです。

上でも書きましたけど、やっぱりみんな気になる欠点はあるものなんです。でもみんな普通に生活してるから、耳が聞こえないということでいじめられて普通の生活が出来ないというのはよくないことだと改めて感じました。

 

みんな良かったですけど、私がこの映画の中で一番心に響いたキャラクターは将也と硝子のお母さんです。

 

将也のお母さんは、息子が他人の娘にいじめをして怪我まで負わせたと聞いて、100万以上のお金を払い、自分もその子の母親に傷つけられたのに、将也の前では笑顔で帰ろうと言った姿に感動しました。将也が悪く言われないためなら高いお金も払うし、自分が傷つけられてもいいと思ったんでしょう。

また、自殺をしようと思った将也がお金を返して、そのお金を燃やしてしまった時に言った

「将也が死ぬために貯めたお金なんて使いたくない」

というセリフは本当に将也のことを大切に思っているんだなと伝わってきて良かったです。

 

硝子のお母さんは、将也のお母さんを傷つけて、怖い人に見えるかもしれませんが、娘がいじめられた上に、跡が残るような傷を付けられたのが許せなかった上の行動なんですよね。

娘をいじめた人なら、4年経ったからといって簡単に許せるはずがありませんから、再会した時にビンタされたのも当然ですよ。

彼女が怖いのは全て娘に幸せな生活を送って欲しいと考えた上での結果だと思うと、とても優しくて良い人に思えました。

 

タイプが違う二人のお母さんですけど、子供を思う気持ちは、本当に痛いぐらい伝わってきて、本当に親ってすごいなって思いました。

まとめ

青春ものでありながら、真面目に考えさせられる映画です。いろんな人の愛が詰まっててとても素敵な話でした。

硝子の声優の早見沙織さんの熱演もすごく良かったです。

観たらこれからの人との関わり方をもっと考えようと思える映画でした。

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