ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「町田くんの世界」の感想、あらすじ

町田くんの世界

2019年公開の日本映画。出演 細田佳央太、関水渚、岩田剛典、高畑充希。監督 石井裕也。原作 安藤ゆき「町田くんの世界」。


©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

人が大好きですべての人を分け隔てなく愛する高校生の町田くんと、人が大嫌いな猪原さんが出会い、彼らが全く違う相手だけに抱いた「わからない感情」への答えを探して成長していく青春映画。

あらすじ

地味な見た目で運動も勉強も苦手な高校生の町田一。彼にはすべての人を分け隔てなく愛すことができる才能があり、学校内でも劇的に優しいことで有名な男子だった。

そんな彼がある日、ひょんなことがきっかけでクラスメイトの猪原奈々と知り合った。彼女は複雑な家庭環境が原因で人が大嫌いになった女子だったのだ。

 

人が大好きな町田くんは自分とは真逆のような猪原さんのことが全くわからなかったが、普段通りに優しく接しているうちに、彼は彼女と仲良くなっていった。

そして猪原さんはそれまで出会った人間とはまるで違う、優しくてまっすぐな思いやりを持つ町田くんと話すうちに、彼に心を奪われていったのだ。

 

しかし町田くんのその優しい気持ちは、猪原さんだけに向けられたものではなかった。彼は視界に困っている人が見えれば、老若男女問わず、すぐに助けに向かうような人だったのだ。そうして町田くんは、男女問わずさまざまな人に次々と好かれていったのだ。

彼のことが好きな猪原さんにとっては、それは面白くないことだった。仲良くしている異性なのに、自分だけに優しくしてくれない彼のことがよくわからなかったのだ。

だが恋を知らない町田くんは、猪原さんがイライラしている理由もわからなかったため、その後も周りの人に親切にし続けた。

 

そしてついに、猪原さんはこれ以上町田くんと親密になれないことを感じて、彼と距離を置き始めた。

しかし町田くんは、いつも一緒にいた猪原さんに会えなくなったことで、自分の中に彼女への初めての「わからない感情」が芽生えていたことに気づく。彼はその感情に一生懸命向き合い、悩みながらその答えを探していったのだ。

そして、自分なりに猪原さんへの「わからない感情」の答えを見つけた町田くんは、それを伝えるために彼女を探しに向かうのだが…。

 

人が大好きな町田くんと、人が大嫌いな猪原さん。彼らが相手に抱いていた「わからない感情」の答えとは…。物語は町田くんの周りの全ての人を巻き込んで、意外な展開に動き出す…。

感想(ネタバレあり)

不器用だけど大好きな人のために一生懸命に頑張る優しい町田くんを見て、温かい気持ちになれる映画でした。

特に終盤、悪意に満ちたこの世界を一生懸命に生きられなくなった人たちが、町田くんと知り合ってからは優しくなって、町田くんたちを応援し始める展開が、最高に優しくて好きでした。こんなに素晴らしいことが起こるかもしれないのなら、私もこれからは出来る限り他人に優しくしようと思わされました。

 

全ての人が大好きな町田くんと、人が嫌いだった猪原さんの恋愛描写も良かったです。彼らがお互いに初めての特別な存在になったことで、本気で悩んだり言い合っているところは、見ているこっちが恥ずかしくなるくらい真っ直ぐでピュアで微笑ましかったです。

最初はみんな平等に優しかった町田くんと誰とも向き合っていなかった猪原さんが、最後には相手だけを見て同じ本気の言葉を言い合うところは、二人の変化と成長をはっきり感じて感動しました。

キャラクターについて

私は関水渚さんが演じていた猪原さんのことが特に好きになりました。町田くんたちとのボーリングを笑顔で楽しんだり、誰にでも優しい町田くんにイライラしたり、町田くんに自分だけを見てほしいと思っていたりするところなど、いろんな表情を見せる彼女のその全部が健気で可愛かったです。町田くんと同じく、一生懸命相手のことを考えて悩みながら全力で恋愛していたところが、二人ともとても可愛くて素直に応援したくなりました。

 

また、メインの二人以外の登場人物も良い人たちばかりで好きになりました。

町田くんの友達の中では、私は前田敦子さんが演じていた栄さんの言動が気に入りました。猪原さんが勇気を出して小学校以来話していない彼女に話しかけた時に、少しも拒否することなく平然と、当たり前のように友達として接していたところが、とても優しくてドキッとしました。

他にも、岩田剛典さん演じる氷室くんもまた良かったです。途中まではひどい人でしたが、町田くんの影響を受けて一生懸命頑張ろうと心を入れ替えるところはかっこよくて、そして町田くんを応援するために駆けつけた時の笑顔はとても爽やかで印象的でした。

 

その他の登場人物も、町田くんの周りの人たちはみんな優しい人ばかりだったので、最後まで安心して観られました。

町田くんについて

この世界は悪意に満ちていて救いようがない、と劇中で吉高さんが言っていました。確かにそう思えてしまうことがたまにある現実ですが、こんなに優しい話を考えられて作れる人たちがいる世界でもあるのだから、そんなに悪いものでもないかもしれないと思わされました。

 

終盤の町田くんが電車の外を飛ぶ場面で、猪原さんたち以外の乗客がみんな町田くんに気づかずに自分のスマホを見ていたところは、私は観ていてハッとさせられました。私もその乗客と同じように、世間体やネットなどのことを気にして、現実の身近にいる優しい人のことに気づいていなかったことがあるのかもしれないと思わされました。

町田くんほど極端に他人を思う人は珍しいかもしれませんが、いつも他人に親切にしている優しい人は、私が自覚しているよりもすぐ近くにたくさんいたのかもしれません。これからはもっと周りを見ていこうと思いました。

 

またこの映画の登場人物はみんな、他人の悪いところを指摘するのではなくて、良いところを褒めている場面が多かったのも印象的で好きでした。

町田くんについてはもちろんですが、太賀さん演じる西野くんが、ボーリングで一本のピンを倒した町田くんを褒めていたり、町田くんのお父さんが変人とも言える町田くんのことを、息子ながら面白いと自慢げに言っていたのが、特に心に残りました。

 

町田くんのようにすべての人を分け隔てなく愛することは難しいと思いますが、せめて彼らのように、他人の良いところを見つけて、優しい人を見逃さずに褒められる人になっていきたいです。

町田くんが見ている世界はきっと美しい、というようなことを劇中で言っていました。私も町田くんのように出来る限りいろんな人を好きになって、悪意に満ちた世界を自分の中で少しでも美しく変えていきたいものだと思いました。

まとめ

町田くんの周りの人たちがみんな優しくて、見ているこっちまで彼らに影響されてしまうような温かい映画でした。特に、町田くんと猪原さんが相手のことを考えるのにとても一生懸命な様子が、恥ずかしくなるくらいに見ていて微笑ましくて可愛かったです。

悪意に満ちていると思えてしまうこともある世の中ですが、町田くんのように出来る限りいろんな人を好きになって、自分の中で少しでも美しく変えていきたいものだと思わされました。

全体的に優しい話で好きなのですが、終盤の空を飛ぶところは少し現実離れしすぎている感じもしました。

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