ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「宇宙兄弟」の感想、あらすじ

宇宙兄弟

2012年公開の日本映画。出演 小栗旬、岡田将生。

(C) 2012「宇宙兄弟」製作委員会

幼いころに一緒に宇宙飛行士になることを約束した兄弟が、19年の時を経て約束を果たすために頑張る話。

あらすじ

2006年7月9日。

南波六太とその弟の日々人は、夜空に浮かび高速で月の方へ消えていった謎の光る物体を見た。それがきっかけになり、日々人は将来、宇宙飛行士になって月に行くことを決めたのだ。

 

それから19年後の2025年。

日々人は宇宙飛行士になっていた。NASAの月面長期滞在ミッションのクルーになり、日本人初の月面歩行者になろうとしていたのだ。

 

その一方で六太は、10年自動車設計会社で開発の仕事をしていたが、上司とトラブルを起こしてしまい、31歳で無職になってしまっていた。

そんな六太に、ある日身に覚えのない郵便物が宇宙航空研究開発機構(通称JAXA)から届いた。中身を見るとそれは、宇宙飛行士試験の書類審査通過の知らせだった。それは日々人が六太には無断で応募していたものだった。だが、日々人と電話で話して六太は思い出した。2006年、日々人と一緒にUFOを見たあの日、彼と二人で宇宙飛行士になって一緒に宇宙に行くことを約束していたのだ。六太はもう諦めて忘れていたが、日々人はまだ諦めていなかった。

子供のころの夢を思い出した六太は、このチャンスを活かしてもう一度宇宙を目指すことを決めた。

 

六太は二次試験の面接で納得できる受け答えができず、半ば通過は諦めていたが、その予想に反して結果は合格。三次試験に進めることになった。

それが判明するのとほぼ同じとき、日々人は無事に月面に着陸し、日本人としての第一歩を踏み出していた。

 

三次試験の内容はそこまで残った六人が全員、閉鎖環境ボックスという部屋に入り、10日間に渡ってそこから出ることなく様々な課題に取り組んでいく、というものだった。

それは赤の他人との共同生活を24時間監視され、過密なスケジュールで次から次へと課題を出され続ける厳しい生活だった。六太たちはストレスを感じて苦労していたが、受験者6人で協力して何とかそれをこなしていた。

 

だがその試験の最中、月面の日々人が何らかのトラブルに巻き込まれて消息を絶ったことが分かった。最悪の事態も考えられたため、試験を中断するか、続けるかの判断は六太自身に任された。日々人との夢を叶えるため、彼が選んだ選択は…。

 

感想(ネタバレあり)

観ていて疑問に思う点がいくつかありましたが、深く考えず気楽に観る分には楽しめる映画でした。原作ファンには不満な点があることも何となくわかりますが、未完の原作の映画としては、うまくまとまっていたと思います。

 

小栗旬さんが演じていた六太のキャラクターが私は好きになりました。弟との約束を一生懸命に果たそうとしていた良いお兄さんだったと思います。

面接のときなどの重要な場面でも、いつもの自分で居られていたところもまた良いと思いました。現実の宇宙飛行士でも、精神が安定していることは大事らしいです。そう言われてみれば、私がこれまでに観た映画の宇宙飛行士たちも、予想外なことが起こった時に、怒ったり慌てたりはあんまりしていなかったです。でも結局は、宇宙が好きなことが第一条件だなと思わされました。

 

私が六太のシーンで一番好きなのは、『みんなよりシャンプーがよく泡立ちます』と自信満々な表情で答えていたところです。

小栗旬さんは、あまりかっこよくない人物を演じている時でも、決める場面ではかっこよく見えるのがすごいと思います。

気になった点について

少し疑問を持った点がいくつかあったので、順番に書いていこうと思います。

六太の選考通過理由について

二次試験を受けている途中の場面で、新井浩文さんが演じていた溝口さんが、宇宙飛行士の日々人さんが弟なんて有利で羨ましいですね、みたいなことを六太に言うシーンがありました。それを聞いたケンジはすぐに否定して、六太をフォローしてくれるのですが、私は実際に六太が有利になっていたと思いました。

兄弟で宇宙に行くのは夢がある、という理由で星加さんが六太を応援していましたし、その理由で実際に2票差が覆っていました。兄弟の夢があるというのも宣伝材料の一つで魅力の一つとも言えるので、それを評価するのも、勝ち上がるために使うのも、悪くはないと思います。

ですが、それで選考を通過してしまうと、コネで有利になることを否定していたケンジが、少し的外れなことを言っていたようにも見えました。ケンジはその後も最後まで優秀なキャラで居続けたので、あのシーンはもう少し変えられなかったのかなと思ってしまいました。

三次試験の溝口さんについて

三次試験に残った6人はほとんどが良い人だったのですが、私は溝口さんだけは最後まで好きになれませんでした。

心優しくて大人な六太は、彼の良いところを見つけて話していましたが、六太がその時に言っていたことも私は納得できませんでした。

『Tシャツの三枚に二枚は、ガンダムTシャツという意外な純朴さを持っています』と六太は言っていましたが、それは宇宙飛行士としての魅力にあまり関係ないんじゃないかと思ってしまいました。仮にあったとしても、それまでの感じの悪いマイナス要素をプラスに持っていけるほどの魅力ではないのではないかと感じました。

古谷さんに、宇宙飛行士目指すには幼すぎんねん。と言われていましたが、私も同じようなことを思っていました。

日々人の帰還方法について

最後に日々人がどうやって帰ったのか、分からないまま終わるのも少し気になりました。結局六太は地球にいて何もできなかったので、月から見える地球を見て頑張って帰ったとしか思えませんが、もしそうだとしたらちょっとモヤっとします。

兄弟で同じ夢を見るというテーマなので、私は六太が何か、日々人の力になれる展開を期待していたのですが、違ったので少し残念に思いました。

終盤の、六太が月に向かって泣きながら走って、生きろと叫ぶシーンでは、それなりに感動もしましたし、日々人に届いている風な雰囲気も感じました。ですが、結局は届いていなくて、日々人が自力で頑張ったわけですから、個人的にはもうちょっと六太が宇宙と関わる展開も欲しかったです。

まとめ

気になった点をたくさん書いてしまいましたが、私はこの映画のことは嫌いではないです。むしろ真剣に観ていたからこそ、気になるところが出てきたんです。

夢がある話で良かったですし、ロケット発射のシーンなどの映像は迫力がありました。

人間の魂がロケットを飛ばすのだと話していたバズ・オルドリンさんの話は、『アポロ13』を見ていたり、ロケットについて詳しい人なら、なるほどなと思わせられるものだったと思います。

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