最高の人生の見つけ方
2007年公開のアメリカ映画。日本では2008年公開。原題は『The Bucket List』。出演 ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン。監督 ロブ・ライナー。
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余命6ヶ月を宣告された二人の老人が、死ぬ前にやりたいことをリストに書き出し、それを叶えるために世界中を旅する話。
あらすじ
ある病院の一室に二人の老人が入院していた。
一人はその病院を経営している会社の社長であるエドワード・コール。もう一人は、自動車整備工のカーター・チェンバーズという男だった。
二人のそれまでの人生は対照的だった。エドワードは仕事と結婚したような人間で、16歳の時から金を稼ぎ始め、一代のうちに10億ドルも稼いでいたが、見舞いに来るのは秘書のトミーだけだった。その一方でカーターは、家族に不自由させないために夢を諦めて、45年間自動車整備工として働いてきた男だった。カーターには毎日家族が見舞いに来ていた。
二人はほとんど何の接点もなかったが、余命があとわずかという点だけは同じだった。
ある日、エドワードはカーターが書いた『棺おけリスト』という紙を見つける。そこには彼が今やりたいと考えていることが書き出してあった。『見ず知らずの人に親切にする』、『泣くほど笑う』、『荘厳な景色を見る』などだった。
それを見て穏やかすぎると思ったエドワードは、『スカイダイビングをする』、『世界一の美女にキスをする』など、過激な項目を付け足して、これから二人で楽しもうとカーターに言った。
カーターは少しためらったがエドワードの言葉を聞いてすぐに、彼とともに病院を抜け出した。そうして、二人にとって人生最後で、最高の世界旅行が始まったのだ。
感想(ネタバレあり)
亡くなる寸前になっても、笑ってとても楽しそうに生きていた彼らを見て、とても前向きな気分になれる映画でした。
性格が正反対の彼らが、いろいろ話しながら世界を旅する様子が、本当に楽しそうで微笑ましかったです。おじいさん二人のやり取りなのに、その関係にヒビが入りそうになった時は、少し寂しくなりました。それほどまでにピッタリで応援したくなる二人だったと思います。
ストーリーは、最後の10分くらいで一気にリストを達成していくところが感動しました。『世界一の美女にキスをする』、『見ず知らずの人に親切にする』、『荘厳な景色を見る』の3つは、少し変則的な達成の仕方をしていましたが、人生最後の旅での彼らの会話を活かした方法で、とても良かったです。
新たな挑戦について
エドワードとカーターは、余命僅かと言われてから3ヶ月のうちに、新たな友達を作って仲を深め、それまでに無かった知識や経験を、お互いからたくさん得ていました。今までとは違う新しい世界に触れることや、新しいことを楽しむために、年齢は関係ないのだなと思わされました。
劇中の彼らの場合は、大金持ちで独り身のおじいさんと、家族がいたけど好きなことができていなかったおじいさんが、病院の一室で出会ったことがきっかけでしたが、そんなきっかけはおそらく誰にでも、どこにでもあるものだと思います。
エドワードのようなお金持ちとの出会いでなくても、自分が知らない世界に挑戦するきっかけは、たぶん今の私の周りにもいくらでもあるのだと思います。自分の生活に変化がないと思うのは、きっと私がそれに触れようとしていないからですね。
カーターが劇中で言っていたところの『どうせもう何もできない』とやる前から決めつけている状態であり、エドワードが言っていたところの『じっと横になって奇跡が起こるのを待っている』状態だと思います。
それでは何も変わらなくて当たり前だなと、彼らを見ていて私は反省してしまいました。
この映画はフィクションなので、最終的に棺おけリストにあった項目は、都合よく全て達成できましたが、現実では、自分が死ぬ半年前に今までやりたかったことを書いても、死ぬまでには達成できないことばかりになってしまうと思います。
新しいことを始めるのに年齢は関係ありませんが、何かをやり遂げるためには早いに越したことはないと思います。そのためには、目の前のチャンスをつかむための、最初の一歩を踏み出す勇気が大事だなと考えました。
エドワードについて
カーターももちろん良い人でしたが、私はエドワードの言動に何度もかっこいいなと思わされました。
口は悪いですが常に前向きで、死ぬ寸前まで自分がやりたいことをやろうとしていました。自分の人生をほんの少しも諦めていないというか、楽しめる時間を無駄にしないようにしている姿勢が、とても良いなと感じました。
お金持ちだからそうなのではなくて、きっとそういう考えが常にできるから、お金持ちになるのでしょうね。実業家や富豪にはそんな人が多いイメージが、私にはあります。
しかし、それは同時に独りよがりな考え方でもありますから、その人の家族は大変だと思います。でも無関係な目線で見ると、それはとてもかっこいい生き方だなと感じました。
ですが、カーターのように家族の幸せを優先して、自分のしたいことを諦めるという考え方も否定はできません。
『人生の価値など容易には量れない。家族や友によって量られると言う人、信仰心によると言う人、愛だと言う人。人生に意味などないと言う人もいる。』
映画「最高の人生の見つけ方」秘書トミーのセリフ
秘書さんが劇中でそう言っていたように、人生の価値なんて他人が決めるものではありませんからね。本人がそれで良いと思えばそれでいいのだ。
だから私は、死ぬ寸前に自分なりに後悔しないように、これから早めに行動してみようかなと思いました。
まとめ
余命数ヶ月でも笑って楽しそうに旅をする彼らを見て、とても前向きな気分になれる良い映画でした。新しいことを楽しむために、年齢は関係ないのだなと改めて思わされました。
最後の10分は特に感動的ですし、驚きもあって胸いっぱいになりました。
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