ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「マイレージ、マイライフ」の感想、あらすじ

マイレージ、マイライフ

2009年公開のアメリカ映画。日本では2010年公開。原題は『Up in the Air』。主演 ジョージ・クルーニー

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何も背負わず気楽に過ごす生活に満足していたリストラ宣告人が、正反対の考えを持つ若手社員や、出張先で出会った女性と接していくうちに、自分にとっての大事なものに気づいていく話

あらすじ

ライアン・ビンガムは一年で322日間出張するほどの多忙なビジネスマンである。彼は社員の解雇を考えている会社に派遣され、腰が引けた上司の代わりに解雇を言い渡すことが仕事だった。

それと同時に、彼には自己啓発セミナーの講師という側面もあった。そのタイトルは『バックパックの中身は?』。その内容は、人生において背負うものを増やせば、ある日動けなくなる。家や車、人間関係や秘密や妥協なんてものは、全て人生においては重荷であり、持ち歩く必要なんてない。全部背中から下ろせば、人生はきっと身軽で楽しくなる。そんなものだった。

それは、結婚をする気もなく子供も欲しくない、家族とも距離を置いて、気楽な日々を送っていた彼にとって、哲学のような考え方だった。

 

ライアンは史上7人目の1000万マイレージ到達を目標にしながら、毎日出張続きの仕事に励んでいた。

彼はその気楽な生活に満足していたのだが、ある日それに変化が起こった。コーネル大学卒業の才女で新入社員のナタリー・キーナーが、出張費削減のための新システムを提案したのだ。そのシステムとは、ネットのビデオチャット越しに社員にクビを宣告するというものだった。それは、今まで直接相手と向き合い、尊重して対応してきたライアンの考えを否定するようなものだった。

当然彼は反対した。だが、上司は聞き入れてくれなかった。出張を続けたいなら、仕事を教えるためにナタリーを連れていくことを条件に出されたため、彼はしぶしぶ了承した。

 

ライアンはしばらくの間、ナタリーと共に仕事をすることになった。彼女は人生に対する考え方も、ライアンとは正反対だった。誰とも深い関係を築かずに気楽に過ごしてきた彼に対して、彼女はボーイフレンドに愛されることを期待して、将来の予定もしっかりと立てていた。

彼女はライアンと意見をぶつけながらアメリカ中を旅しているうちに、彼の仕事への考え方を知り、次第に一人で落ち着いた解雇宣告ができるようになっていった。そしてライアンにとっても、ナタリーとの交流が自分の哲学を変えるきっかけとなっていったのだ。

 

自分が背負うべきものにようやく気づいたライアンは、それまで気楽な関係を続けていた相手と、本物の関係を築こうとするのだが……。

 

感想(ネタバレあり)

観る人の世代や価値観によって、感想が大きく変わるような映画だと思いました。私は正直言うと、ライアンにはあまり共感できませんでした。

ライアンについて

おじさんが主人公で、若気の至りみたいな勘違いをしている後輩を育てるといった物語は、割とたくさんあると思います。ですがこの映画については、ナタリーにも極端なところはありましたが、それ以上に、ライアンが普通の時代遅れのおじさんに見えるところが気になって、あまり彼を応援できませんでした。

もちろん、良いところもありました。妹夫婦の写真パネルをわざわざ出張先に持って行って、写真を撮ってあげたりしていたのですから、根っからの悪い人ではないとは思っていましたよ。

しかし、マイレージのエリートカードを持ってない人を見下すような言動をしていたり、自分のマイレージのために会社の経費削減に協力しなかったりするのは、正直どうなのかな?と思いました。解雇宣告に関しては、今までの豊富な経験を新しい技術に取り入れればいいのに、それをしようとせず、ただこれまでのやり方で続けようとしていたのが、私はあまり好きになれませんでした。

だからこそ、最後に妹さん夫婦にマイルをプレゼントしたり、ナタリーを推薦したりして、自分以外のことを考えるようになっていた時には、印象的な変化だと感じました。ですが、それまでの共感できない時間が長かったので、やはりモヤモヤはしました。

 

ナタリーに関しては、解雇を言い渡した人のことを気にしている素振りや、ライアンの趣味をけなしてしまったことを謝ったりしていたので、私は結構好きになれました。なので、彼女が主役で、脇役のライアンに諭されるという話なら、私はもしかしたらこの映画のことをもっと好きになれたかもしれないと思いました。

私がライアンをあまり好きになれない理由は、私がどちらかと言えばナタリーに年齢が近いからというだけかもしれませんし、もしマイレージを貯めることが身近な生活をしていたら、また違っていたのかもしれません。観る人の立場によっては、ライアンにもっと好感を持つ人もいるのでしょう。

 

しかし一つだけ、私が彼に共感できるところがありました。それはマイレージカードを集めていて、アレックスと見せ合いながら盛り上がっていたシーンです。私も昔、子供向けのカードを集めていた時期があったので、共感できました。あの時は、興味ない人からは冷たい目で見られていたのですが、客観的に見ると自分もこんな風だったのかと、ライアンたちを見ていて思いました。

ストーリーについて

私はライアンのことをあまり好きではないですが、さすがに最後のアレックスとの場面は少し可哀想だと思いました。でも仕方ありませんね。今まで何も背負わずに気楽な関係を続けてきたのに、急にその相手に対して本気で向き合っても、相手は合わせられませんよね。ただ、アレックスもその関係を望んでいるのであれば、家族のことを言っておけばよかったのにとも思いました。

 

しかし、これからいろんなものを背負っていきたいと思い始めたのなら、ライアンは新しく出会う人と深い関係を築けるようになるものだと思います。でも、それまで通りの気楽な生活を続けることも、私は悪くないとも思います。

劇中でライアンが『人には色々な最期がある』と言っていたように、途中も色々あっていいと思います。

本人が楽しくて、他人を傷つけないようであれば、一人で気楽に生きる道も、誰かといろんなものを背負って生きる道も、どれも良いのだと私は思います。最後のシーンでライアンは、行先表示板の前で立ち止まっていましたが、それからどの道を選び、何を背負うかは彼の自由です。それからの生き方を、誰にも強制される必要なんてないのだと私は思いました。

まとめ

私は主人公のライアンのことをあまり好きになれませんでしたが、違う立場の人が観たら共感する人物なのでしょう。一人で気楽に生きる生き方も楽しそうでしたが、誰かとともにいろんなものを背負って生きる道も良いなと思いました。どんな道を選び何を背負うかは、自分で決めるものだなと改めて思わされました。

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