ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」の感想,あらすじ

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

2014年のイギリス・アメリカ製作映画。ベネディクト・カンバーバッチ主演。

(C) 2014 BBP IMITATION, LLC

イギリスの数学者であり暗号解読者でもあったアラン・チューリングの人生の実話に基づいた物語。アランが第二次世界大戦中,敵国ドイツが使っていたエニグマ暗号を解読する様子と共に,当時の社会事情によって苦しめられる彼らの様子が描かれる。

 

あらすじ

1951年の英国マンチェスター。

ケンブリッジ大学の教授であるアラン・チューリングの家で盗難があったと,マンチェスター警察は彼の近所の家の人から通報を受けた。

しかし自宅が荒らされた張本人のアランは捜査をしようとする刑事に対して何も無くなっていないと言い張り,悪態をついて彼らを追い返した。

その盗難事件の捜査をすることになったロバート・ノック刑事は,家から何か盗まれたのにそれを認めようとせず,警察に何も話そうとしないアランのことを怪しく思い,彼についての捜査を始めた。

 

その後,アランは何らかの容疑で警察に捕まりノック刑事から尋問を受けることになった。そんな状況でも主導権は自分にあると言って堂々とした態度をとるアランは,それまでの自分の人生について刑事に話し始めた。彼が刑事に望んでいたのは,話し終わるまで自分を批判しない事だった。

 

1939年ロンドン。

イギリスはドイツとの戦争状態に突入していた。

当時27歳のアランは,ドイツ軍の暗号解読に関する最高機密計画に参加するため,ブレッチリー・パークと呼ばれる場所に来ていた。アランを面接したのは海軍のデニストン中佐だった。

ドイツ軍の暗号を解読するのにドイツ語ができないと言うアランをデニストンは一度追い返そうとしたが,アランが見せた推理力やこれまでの輝かしい経歴から彼を計画に参加させることに決めた。

彼がブレッチリーで行う仕事は,ドイツ軍が主要な通信の全てに使っている史上最高の暗号機「エニグマ」の解読だった。

 

ブレッチリーにはベルリンから持ち出したエニグマ暗号機が一台あったが,それがあるからといって通信が解読できるわけではない。解読するにはマシンの設定を知る必要があるのだが,ドイツ軍は毎日深夜0時にその設定を変えてしまう。最初の通信を傍受するのが午前6時ごろのため,アランたちが暗号解読に使える時間は毎日18時間しかなく,0時になれば振出しに戻ってしまうのだ。

エニグマの設定の組み合わせは,159×10の18乗通り考えられる。それは10人が各自1分間で一つずつの設定を24時間365日休みなく試し続けても,全部チェックし終えるまでに二千万年かかるほど膨大な数だ。しかし攻撃を一つ止めるには,20分以内にその二千万年分の設定を試さなければならないという事だ。

 

そんな良くできたマシンのエニグマに勝てるのはマシンしかないと考えて,アランはチームのメンバーとは協力せず,一人で暗号解読のためのマシンを作り始めた。しかしそんな自分勝手な行動をとり,他の人のことを馬鹿だと思っているアランのことを,チームのメンバーは次第に嫌いになり始めていた。

その結果チームのメンバーがアランのマシン作りの障害になり始めたため,彼は首相に手紙を送るという強引な方法でそのチームの責任者になった。そしてまた自分勝手な考えで,能力の低いメンバーをクビにしたりして,さらに嫌われることになった。

 

人手が足りなくなったチームの人員を募集するために,アランは新聞広告にクロスワードパズルを載せ,10分以内に解けた人だけに選考試験を受けさせることにした。

その試験には教員,技術者,学生など様々な人が受けに来ており,アランが彼らに試験の説明をしていると,遅れてジョーン・クラークと名乗る若い女性がやって来た。

受付の男性は彼女を秘書志望だと決めつけて部屋に入れようとせず,彼女がパズルを解いた受験者だと言っても,本当に自分で解いたのかと疑って彼女に試験を受けさせようとはしなかった。

しかし,アランは遅れは許されないと思いながらも,説明の続きを急ぐため彼女を席に着かせ試験を受けさせた。

 

『試験のパズルを解く制限時間は6分です。』とアランは受験者に言って彼らにパズルを解かせ始めたが,彼は誰も6分以内に解けるとは思っていなかった。実際,アランでも8分かかるパズルであるため,受験者が解けない問題にどう対処するかという姿勢を見るための試験だったのだ。しかし,アランのその予想は裏切られた。彼が受験者を観察していると,先ほどの遅れて来た女性ジョーンが5分34秒の時点で解いてしまったのだ。

彼の試験の合格者はジョーンを含めてたった2名だった。

 

1940年 ブレッチリー・パーク。

ジョーンは男性と共に働くという事を両親に反対されてブレッチリーに来ることを拒んでいたが,アランが何とか女性たちと働きながらエニグマ解読に参加できるように工夫したため,彼女は彼の元にやって来れた。

彼は自分の作っているマシンに「クリストファー」と名付け,その製作を続けていたが,自分勝手な性格とチームの人に嫌われているという状況も変わっていなかった。

挙句の果てには,デニストンにいわれのないスパイ容疑までかけられるようになっており,そんな状況のアランを心配したジョーンは,彼にあるアドバイスをした。

 

彼女の助言を聞いて行動することによって,アランとチームの人との距離は縮まり,彼らの協力のおかげもあって「クリストファー」の製作は以前よりも順調に進み始めた。そして,人付き合いがうまく他人の気持ちを柔軟に理解できるジョーンのことを,アランは好きになり始め,二人の関係もうまく進展しているように見えた。

 

しかし,戦争勝利のための暗号解読の意味や,アランがこれまで隠してきていた秘密が,彼らのチームの運命やアランの人生を思わぬ方向に進めることになっていく。

 

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感想(ネタバレあり)

ストーリーについて

アランがエニグマ暗号を解読する様子が物語の主な要素になっています。実際に彼がやったことは素人にはとても理解できないぐらい難しいことなんでしょうけど,なぜ彼がマシンを使って解読しようとしたのかとか,解読するための決定的なきっかけになったこととかの謎解き要素は,何となく私みたいな素人にも楽しめるように作られていて良かったです。

その後彼が受けたことについてのシーンは,見ていて少し辛いものがありましたけれど,後に彼の功績が称えられるようになったという文章を見て,少しは救われた気になりました。

暗号について

それからアランが学生時代にクリストファーと暗号の手紙を,先生に隠れてやり取りしていた場面がとても印象に残っています。他の人には通じないけれど相手にだけは通じると信じて,秘密のメッセージを隠れて渡す二人の姿は見ていてとても微笑ましかったです。

意味が分かるのは書いた側と受け取った側だけで,部外者には全く理解できないっていうその関係が,何だか特別でロマンがある物に感じられて,暗号ってなかなかいい物だなと思わされました。

また,途中からチームのみんながアランに協力し始める様子も良かったです。それまでは彼の態度からみんな彼のことを嫌ってましたけど,彼らは頭が良いから彼の実力は認めていたんですよね。だから,アランがジョーンの言うように周りに嫌われないようにした結果,メンバーは協力し始めたんですよ。この関係は,メンバーのみんなの頭が良かったらこそできた関係だと思うんですよ。そうじゃなかったら,アランの実力にも気づかずに,今まで嫌いだった彼を積極的に助け始めるなんてことにはならなかったと思います。

でもその関係は,きっと普通の人や部外者には理解できませんよね。暗号解読に精通した彼らだからこそできた関係だと思うんですよ。彼らのチーム内でしか理解されない関係性ですよ。私はその関係がちょっと暗号に似てて,ロマンがあってかっこいいなと思いました。

 

メンバーの中でも特にヒュー・アレグザンダーが私のお気に入りです。彼が見せたアランの実力を認めている様子がとてもかっこよかったです。

特にアランがスパイじゃないとヒューに言った時に彼が言ったセリフが良かったです。

「もちろん君はスパイなんかじゃない。君が作ったにしちゃ単純すぎる暗号だ。」

このセリフは私に響きました。嫌いだった相手だけどアランの実力だけは信頼してて,こんな程度が低い暗号を作る筈がないから,こいつはスパイじゃないって心の中で思ってたんですよ。まさに一番アランに近い実力を持ってた彼だけに分かったことだと思ういます,一方的ですけど。ヒューのその感情はちょっとかっこよすぎましたね。ただ,そんなに信頼してたのならもっと早く言っても良かったんじゃないかなと思いました。

アランはよく彼に惚れなかったなって思います。好みじゃなかったのかもしれませんね。

差別について

この映画には,同性愛者への差別や男性から女性への差別についてのシーンがいくつかありました。とても難しい問題ですよね。少しは緩和されているとはいえ,今でもある問題です。

この映画を観た人の多くはきっと『それは悪いことだ。差別をしている人は悪い奴だ。』って思うでしょう。私もそう思いました。でもそう思うのは簡単ですけど,この映画で差別をしていた人は本当に根っからの悪人だったんでしょうか?と考えると,私は違うと思います。きっと映画で描かれていた面はその人の一部分でしかなくて,必ず良い部分はそれ以上にあるんですよ。彼らは昔からの慣習とか,間違った噂を誤解して信じていただけだと思うんですよ。

私はそれって仕方ないことだと思います。当時は映画で描かれていたように女性と男性は別の場所で働いていたため接する機会も少なかったでしょうし,少数派の人はそもそも物理的に会う機会が少なくなるでしょうから,理解される機会も得られずに誤解されることもあったのかもしれません。

しかし,グローバル社会と言われる今において,その言い訳は通用しないですよ。今なら180度自分と違う意見を持つ人とも簡単に話し合えます。私がこの映画を見たように,ネットなどのメディアを介せば少数派の人の考えも会わなくたって聞く機会はいくらでもあります。現代で生きていてこういう問題があると知っている人は,少しは被害を受けている人のことを,理解する努力をするべきだと思います。

とりあえず映画が好きな私は,こんな映画をいろんな人が見てくれる環境があれば良いんじゃないかと思います。いろんな人が楽しみながら映画を見て,考えが違う人のことをもっと思い合えるようになれば,それはとっても嬉しいなって私は思います。

 

普通じゃないと思いながらアランと婚約して,普通じゃない結婚生活を過ごそうとしていたジョーンのように,先入観なしに一人一人の人間を理解して好きになれるような人になりたいものだなと私は思いました。そのためにも,彼女が最後にアランに言った次のようなセリフはなるべく覚えていようと思います。

「あなたは普通が良かったって思っても,私は絶対思わない。あなたが普通じゃなかったからこそ,より良い世界になったんだから。」

このセリフを聞いて,本当に彼女はいい人だなと思いました。

 

自分が普通だと思っている人には,そうじゃない人のことを考えるためにも見てほしいし,普通じゃないと思っている人には,アランのように普通じゃないからこそできることがあるかもしれないという事を知ってもらうためにも見てほしい作品だと思いました。

※個人的な意見です。

まとめ

エニグマ解読の部分は,こんな難解な暗号をどうやって解読するのかと続きが気になってワクワクする内容でしたし,最初は険悪だった仲間と仲良くなっていく様子も熱いものがあって楽しめました。

でも最終的にハッピーエンドとは言えないと思いますし,彼が受けたことを考えると気軽に見れる映画ではないです。でもやっぱりこういう映画を見ることも私は大事だと思いますから,見た人は内容についてしっかり考えてほしいと思います。

 

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