ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「ANNIE/アニー」(2014年)の感想,あらすじ

ANNIE/アニー(2014年)

2014年公開のアメリカ映画。日本では2015年公開。世界恐慌直後を描いた同名ミュージカルの舞台を現代に置き換えて作られた映画。主演 ジェイミー・フォックス。

© 2015 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.

携帯電話会社の社長で市長選に立候補中の,仕事人間で冷たいスタックスという男が里子の少女アニーと出会い,選挙活動に利用するために彼女と共に暮らしていくうちに家族に対する愛情を取り戻していく話。

あらすじ

舞台は現代。1930年代の世界恐慌直後にも似て,貧しい人が溢れる厳しい時代。そんな時代に生きている10歳の女の子アニーにとってもそれは例外ではなく,彼女もまた,子供ながら厳しい人生を過ごしていた。

アニーは4歳の頃,あるレストランで親に置き去りにされ,今はハニガンという女性の家で里子として他の子供たちと共に暮らしていた。ハニガンは毎日お酒を飲んで暴れ,子供たちに家事をまかせっきりにするような人だったので,アニーたちは彼女に文句を言いながら毎日を過ごしていた。

そんな暮らしをしながらもアニーは,置き去りにされた日に両親が残したメッセージとハート形のペンダントの片割れを頼りに,いつか両親が迎えに来ると前向きに信じて待っていた。

 

ある日アニーが町で走っていると,ある男性にぶつかって車にひかれそうになった。しかし,その人がとっさに彼女を持ち上げて助けたためアニーは命拾いした。彼女を助けた男性は,携帯電話会社の社長でNY市長選に立候補中のウィリアム・スタックスだったが,アニーはそれに気づかず彼にお礼を言ってその場を去って行った。

スタックスは庶民のことを見下すような言動をする男だったのでそれまでの市長選での支持率は低かったのだが,アニーを助けた様子がネットに上げられた途端に支持率が上がったのを見て,彼は驚いた。

スタックスの部下のガイはこれを利用して,アニーとスタックスが仲良く一緒の写真に写ることで,彼の支持率はより上がるのではないかと考えた。

 

そしてその後スタックスはアニーを食事に誘い,彼のビルで一緒にランチをすることにした。その場にはカメラマンも大勢いたので,スタックスは無理矢理アニーと写真を撮ろうとしたが,彼女はそれを嫌がった。仕方がないので彼はアニーと写真を撮れば選挙の票が増えるという事を彼女に説明した。それを聞いて驚いたアニーが,もし自分が一緒に住んだら大統領にだってなれるね,と冗談を言ったら傍にいたガイはその考えに賛成して,スタックスにアニーと一緒に住むことを勧めた。

スタックスは嫌がったが,選挙のために投票日までの数週間だけという条件で,アニーと共に住むことになった。

 

スタックスの家を見たアニーはとても驚いた。彼の部屋はビルの最上階でとても広いだけではなく,中に噴水や大きなモニター,プールなどもあり,欲しいものは何でも出てくる家だった。今まで他の里子たちとハニガンの狭い家で暮らしていたアニーにとっては,そのハイテクな家はとにかくすごい家だった。

アニーは一緒に暮らすからには,本気で良い写真を撮るために協力することをスタックスに約束した。

その後スタックスはアニーとの生活の中で,彼女と仲良く見える写真をたくさん撮った。その結果,彼の低迷していた支持率は現職に迫るほどの勢いで,急激に上がっていき,同時にSNSではアニーも人気者になっていた。

 

しばらくすると,アニーと写真を撮っても支持率は上がらなくなった。しかし,彼はそれでもアニーと共に暮らし続けた。初めはアニーと暮らすことを嫌がっていたスタックスだったが,彼女と同じ時間を過ごすうちに彼は自分からアニーの面倒を見るようになっていたのだ。彼女と一緒に映画を見たり,仕事場に連れて行ったりしていくうちに,彼はアニーを正式に養女にしたいと考え始めていた。

だが同時に彼の部下のガイはアニーの里親のハニガンと協力して,報酬のために偽物の彼女の両親をでっち上げ,スタックスの支持率を上げるという計画を立てていた。

 

ガイの計画を知らないスタックスは,ガイからアニーの両親が見つかったという報告を受けて,本心では寂しく思っていながらも彼女にお祝いの言葉を送った。アニーもガイが用意した偽物の両親と出会い,その人たちが本物だと思って喜んだ。

スタックスは寂しがりながら,両親と共に車に乗って去っていくアニーを見送った。しかしその後,アニーを連れて行ったのが偽物だと知ると,スタックスは支持率が下がるであろうことも気にせず,アニーを助けに向かうのだった。

感想(ネタバレあり)

ストーリーについて

とてもありがちな話です。仕事が第一で孤独に過ごしていた男が,前向きで明るい少女と出会って一緒に暮らすうちに,家族への愛に気付くという,そんないくらでも見つかりそうな,ありがちな話です。でも,私は感動しました。

こんなシンプルな話が一番単純に心に響くんじゃないかと私は思います。自分だったらどう思うだろうと想像しやすくて感動もしやすかったです。

 

やはり,アニーが前向きで明るくて自然に応援したくなるような良い子だったから,親目線みたいに見れて感動できたのだと思います。

特に,美術館でチャンスをくれたスタックスに,アニーがお礼の歌を歌うシーンはとても良かったです。きれいなドレスを着て一生懸命歌う彼女を,立派になって嬉しいみたいな,親のようなことを思いながら見てました。

そして,スタックスがグレースにアニーを養女にしたいと言ったシーンは,本当に嬉しくて最高のシーンでした。初めは一緒に住むことを嫌がっていたスタックスがアニーのことをそんなに思うまで好きになってくれたことがとても嬉しかったです。彼がグレースに不器用な聞き方をするのも,それに対するグレースの優しい返し方も,自分の中のアニーへの愛情に気付いた時のスタックスの優しい表情も,あのシーンの全てが優しさで構成されているみたいで,とても心に残りました。

 アニーは両親に置き去りにされたけど,結局はスタックスやグレース,ハニガンなどのたくさんの人に愛されて良かったなと思いました。これは彼女が落ち込み過ぎず,明るく前向きに生きたからこそ,得られたものだと思います。私も前向きに生きたらいいことあるのかなと思わされました。

 

ミュージカル版の『アニー』は,この映画の冒頭でアニーが言っていたフランクリン・ルーズベルトが大統領をやっていた1933年が舞台らしいです。でもそれを現代を舞台に作り直した物語とは思えないぐらい,違和感のない自然な現代の話になっていて,上手く作っているなと感じました。スマホやSNSを使わせたりして,今の人がとっつきやすいように思い切って変えているのに,それもうまく利用してて良く考えられた話だなと思いました。

さすがに携帯電話会社の制御センターをアニー個人のために使う展開は,だめじゃないかなとも思いましたけど,ほとんど役に立たなかったのでOKです。

登場人物について

この映画はアニーはもちろん良い子だったのですけれど,私は周りの大人たちも魅力的に見えました。

特にスタックスの部下のグレースが私はとても好きです。美人で子供にやさしくて可愛くて声がきれいないい人です。

スタックスの家に初めてアニーが来た時に,グレースはアニーと同じくらい楽しそうに遊んであげてて,見ていて憧れるくらい人間ができた人だなと思いました。あのアニーと踊っているシーンは,二人とも本当に楽しそうでしたし,グレースの魅力が溢れんばかりに出ていたので,何回も繰り返し見てしまうぐらい好きになりました。

レストランの前でアニーと両親を待っているシーンでも,一緒に道路にお絵かきしているのが優しくて可愛かったです。

 

それにハニガンもまた良いキャラクターだったと思います。劇中でも言っていたようにやさぐれて見えるけど,本当は優しい女性でした。そして,とても表情豊かで見ていて面白いです。

アニーがスタックスと食事に行く時に,ハニガンは三つ星の食事が食べたいと言って付いていこうとしてたのも,照れ隠しで本当はアニーのことが心配だったんじゃないかと思います。

それに,ハニガンといるときの子供たちが文句を言いながらも割と楽しそうなのと,ハニガン自身も子供たちといる時にはいきいきしてたのが良かったです。子供たちもハニガンも,言葉でいうほどお互いのことが嫌いじゃないんだというのがなんとなく分かりました。

そして何より,キャメロン・ディアスさんはやっぱり美人だなと思いました。さすがに『マスク』の時の衝撃の美しさに比べたら老けたなとは思いますけど,それでも年の割にはとても美人で驚きました。

歌について

ミュージカルの映画化なだけあって,やっぱり歌が良かったです。さすがに『Tomorrow』はミュージカル版や以前の映画を見たことが無い私でも知っていて,英語の歌詞が分からない私でも,なんとなくのイメージで口ずさみたくなりました。

アニーが楽しそうに歌うシーンは,見ているこっちまで笑顔になるくらい良かったです。上でも書きましたけど,グレースとスタックスの家で踊っているシーンが本当に好きです。

それにアニーの声がとても良かったです。初めに聞いた時は吹き替えの人が歌っているのかなと思うぐらい可愛い声でびっくりしました。

まとめ

単純な話だけど,だからこそアニーを心から応援できるいい話でした。舞台を現代に移したことも,違和感なくうまく利用してて,よくまとまってるなと思いました。歌も良かったし,キャメロン・ディアスさんも面白い役で見ていて楽しかったです。

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