ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「涼宮ハルヒの消失」の感想、あらすじ

涼宮ハルヒの消失

2010年公開の日本のアニメーション映画。テレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の続編。総監督 石原立也。監督 武本康弘。脚本 志茂文彦。原作・脚本協力 谷川流。制作 京都アニメーション。声の出演 杉田智和、平野綾、茅原実里。英題「The Disappearance of Haruhi Suzumiya」。


(C)2006 谷川流・いとうのいぢ/SOS団  (C)2007,2008,2009 谷川流・いとうのいぢ/SOS団 (C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団

涼宮ハルヒが巻き起こす非常識な事件に振り回され続けていたキョンの日常から、ハルヒが突然消えてしまう話。これまでの日常を取り戻すためにキョンが迷いながら奮闘する。

あらすじ

普通の高校生活を退屈に感じていた一年生の涼宮ハルヒは、宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶことが目的の『世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団』、略して『SOS団』という団体を入学してすぐに発足させた。

しかし、彼女がSOS団の団員として集めた人物たちは、そのほとんどが新たな面白キャラを探す必要がないくらいに、個性的な一面を隠し持った者ばかりだった。

宇宙人の長門有希、未来人の朝比奈みくる、超能力者の古泉一樹。涼宮ハルヒの望んだ存在たちが、彼女の知らぬ間に、一堂に会するかのように都合よく彼女の前に現れていたのだ。

実は涼宮ハルヒは、無意識のうちに自分の好きなように世界を作り変えられるという、とんでもない能力を持つ少女だった。宇宙人、未来人、超能力者の彼らは、彼女に願われたという理由でその世界に存在していたのだ。そして彼らは、どんな技術を使っても解析不可能な涼宮ハルヒを安全に監視するために、同じ学校の生徒として彼女に近づいていた。

 

そんな涼宮ハルヒのクラスメイトであるキョンは、何の特別な能力もない普通の男子高校生だった。しかし、特別な能力を持たないにもかかわらず、他の誰よりも先に彼女に気に入られ、SOS団の団員その一として選ばれた世界で唯一の人間でもあった。

彼は4月に入学して以来、涼宮ハルヒが勝手気ままに巻き起こす非常識な出来事に、宇宙人たちとともに振り回されながら、非日常な学園生活を送ってきたのだ。

 

その生活は、クリスマスイブを8日後に控えた12月16日になっても、あまり変わっていなかった。涼宮ハルヒはSOS団クリスマスパーティーを開催することを勝手に決定し、キョンを含む団員たちはしばらくその準備に追われることになったのだ。

そして問題はその2日後、12月18日から始まった。

 

キョンがいつものように登校して教室に入ると、昨日まで当たり前のように彼の後ろの席にいた涼宮ハルヒがいなくなっていたのだ。そしてそれは実物の彼女の姿だけではなく、4月以降同じ教室で過ごしていたクラスメイトの記憶からも、まるで初めからいなかったかのように涼宮ハルヒの存在は消え去っていた。

困惑したキョンはSOS団の他の団員を頼ろうとしたが、朝比奈みくるはハルヒどころかキョンのことすら覚えておらず、古泉一樹は彼が所属していたクラスごとその学校から消えていた。そして、キョンがこれまで何度も助けられ、最も頼りにしていた最後の砦である長門有希でさえも、おとなしい読書好きの普通の少女に変わってしまっていた。

 

キョンが昨日まで過ごしていた世界はその日突然、涼宮ハルヒがいた非常識なものから、宇宙人も未来人も超能力者もいない正常なものに、何者かによって改変されてしまったのだ。

そして、涼宮ハルヒの代わりのようにキョンの後ろの席にやって来たのは、恐るべき意外な人物だった。

 

その後、戸惑いながらも何とか元の世界に戻すきっかけを見つけたキョンは、それを動かすための鍵と、消失した涼宮ハルヒの姿を求めて動き始めるのだが…。

感想(ネタバレあり)

本編の時間が162分もありましたが、物語の展開のメリハリがすごくて、印象深いシーンも数え切れないほどに多かったので、長いと思わせられる暇もなく、最後までドキドキしながらとっても楽しめました。

 

私はテレビシリーズを観てから映画を観たので、テレビで「涼宮ハルヒの憂鬱」を観ていない人が楽しめるかどうかは分かりませんが、いろんな場面で以前の出来事をうまく使った演出がされていたので、テレビシリーズを観てから映画を観た方がずっと楽しめると思います。

 

とても劇的で面白い展開に、テレビシリーズを思わせるような演出や綺麗な映像などが合わさっていて、すごく面白い映画でした。キャラクターの仕草も細かくて、本当にテレビの「涼宮ハルヒの憂鬱」を観てきて良かったと心から思えるくらい、満足いく内容でした。

ストーリーについて

盛り上がる熱い場面から、感動させられるシーンに、恐怖やショックを感じる場面まで、まるでジェットコースターのように激しく感情を揺さぶられる展開が次から次へとやってくるので、最後まで本当にドキドキワクワクしながら全然飽きることなく楽しめました。

 

まず12月17日までのプロローグでは、テレビシリーズと変わらないSOS団たちの日常を見て、懐かしく感じながら穏やかに見られました。

しかしそう思っていたら、突然涼宮ハルヒの存在が消えていることにキョンと同じように戸惑ってしまい、頼りになる長門や朝比奈さんや古泉もいない状況が分かって絶望し、さらにハルヒの代わりにあの朝倉涼子が来たことに恐怖を感じました。

そして、谷口の口から突然出た涼宮ハルヒの名前に期待を持ちながら驚き、テレビシリーズの七夕からの伏線の使い方に感動させられ、無事にハルヒに再会できてキョンが思い出を共有できた時は素直に嬉しかったです。久しぶりに見る長髪のハルヒが無茶な行動を始めてSOS団が揃ったのを見ると、見慣れた光景がまた見られたようで再び安心できました。

3年前の七夕に戻ってからは、最高に頼りになる宇宙人の長門や大人の朝比奈さんの二人が出てきたので完全に終わった気になってしまいましたが、終盤にまた朝倉涼子が出てきたところでは、その解決方法も含めてめちゃくちゃびっくりさせられました。

でも最後には、長門やSOS団のメンバーを思いやるハルヒやキョンの優しい気持ちに感動して、温かい気持ちで観終わることができました。最後のキョンのナレーションもオシャレで好きでした。

 

以上のように、この映画単体でも全体的に休まる暇がないくらいとても劇的でドキドキな展開でした。ですが、それまでのテレビシリーズとも見事に繋がっていて、エピソードの全部が一つも欠けてはいけない完成されている話だったように思いました。長い本編の時間があっという間に感じるくらいに夢中になって観られました。

 
私は特に、改変後のロングヘアーのハルヒと再会したキョンが、ジョン・スミスと名乗る場面が一番好きです。初めて「笹の葉ラプソディ」を観た時は、ジョン・スミスを再びこんな大事な場面で使うとはまったく思っていなかったので、この映画で出てきた時は、意外すぎてその伏線の使い方に感動しました。

 

キョンがハルヒとの非日常な高校生活を楽しんでいたと熱く叫んで認めるところと、大人の朝比奈さんが

「いろいろ大変だったけど、全部いい思い出です。」

映画「涼宮ハルヒの消失」の朝比奈さん大人バージョンのセリフ

と言って、高校生の頃を懐かしそうに振り返る場面も、青春映画っぽくて爽やかで好きでした。

また、終盤で朝倉涼子に襲われたキョンを、未来の長門たちが助けに来るシーンも熱い展開で興奮しましたし、長門や団員のことを心配するハルヒやキョンの優しさにも感動させられました。

他にも好きな場面は本当に最初から最後まで書き切れないくらいにたくさんあります。どのシーンもいろんな意味で素晴らしく、もうほとんど全部が好きと言ってもいいくらいでした。

 

最後の、ハルヒとの非日常的な世界を選んだキョンが次のように世界に語りかけて終わるところも、かっこよくて好きでした。

「なあ世界、少しくらいは待てるだろ?再改変をしに行くまで、ちょっとくらい待機しててくれてもいいよな?せめてハルヒ特製鍋を食ってからでも、別に遅くはないだろう?」

映画「涼宮ハルヒの消失」のキョンのセリフ

アニメについてはこれから先の話は今のところ作られていませんが、ここまで完成された物語に綺麗な映像を見せられて、こんなかっこいい締め方をされたら、ここでシリーズが終わっても納得できる感じがありました。

演出について

序盤の音楽やキャラクターの言動がテレビシリーズと同じ雰囲気だったため、テレビの「涼宮ハルヒの憂鬱」を見ていた私にはとても懐かしく感じました。そのおかげで、テレビを見てからしばらく時間が経っていても、自然にそれまでのことを思い出しながら楽しめました。

導入部分で、聞き覚えのある音楽と、地球やハルヒへの文句を言うキョンの心の声が流れた後、突然部室にハルヒが入ってきて「冒険でしょでしょ?」が流れた時は、テレビシリーズで見ていたSOS団がそのまま帰ってきた感じがして、オープニングからとてもワクワクさせられました。

 

そして、SOS団の日常を思い出せたおかげで、キョンが朝比奈さんから知らな人扱いされたところや、朝倉涼子の再登場シーンでのショックは、より大きく感じられたような気がします。朝倉涼子の終盤の登場シーンでのBGMが特に怖いところも好きでした。

 

テレビシリーズの回想シーンなども多くあって、感動できるように活かされていたので、本当にテレビの「涼宮ハルヒの憂鬱」を観てて良かったなと思わされるものになっていました。

映像について

背景や人物の仕草なども、細かいところまでとても丁寧に綺麗に描かれていて、映像面でも感動させられる場面が多かったです。

 

特に、キャラクターの表情や風に吹かれて揺れる髪の毛が、他のアニメではあまり見られないくらいに、よく動いていたように見えました。また、ハルヒがホワイトボードに文字を書く仕草や、キョンがストーブをつける仕草などの、物語には深く関わらないような、なんでもない動きまでが、本当の人間みたいにリアルだったところにも驚かされました。

背景や物の絵に関しても、どの場面も写真みたいに一つ一つがすごく細かかったです。

 

いっぱいあった綺麗な映像の中でも、私はキョンが自分に語りかける世界の描写が印象に残りました。教室にいる二人のキョンを照らす夕陽の描き方がとても綺麗で、何度でもキョンが自分に踏まれているそのシーンを見返したくなりました。

そしてその綺麗な映像が、立ち上がって本音を叫ぶキョンの熱い気持ちと、声優の杉田智和さんの熱演などの要素と合わさり、私の中では最高な場面の一つになりました。その後の、改札から出てきたしおりを受け取る演出も熱くて好きです。

 

リアルではない演出かもしれませんが、ハルヒが16日にクリスマスパーティーの三角帽子をかぶるところや、窓に吹き付けるスプレーを楽しそうに振っている仕草などが、しっかり可愛く描かれていたのも良かったです。

キャラクターについて

改変された世界が主な舞台になっていたので、テレビシリーズとは少し違ったキャラクターが見られたのも良かったです。髪が長いハルヒがキョンにポニーテールを褒められて照れるところとか、眼鏡をかけた長門が積極的にキョンに近づくところなんかは新鮮でした。

 

しかし私は古泉と声優の小野大輔さんが好きなので、長門やハルヒよりも、改変後のハルヒのことが好きな古泉が一番印象的でした。何も属性がないのに気に入られているキョンのことを羨ましがっている姿がとても切なくて、こっちの古泉が報われる未来も見てみたいと感じました。電車の音に紛れて

「うらやましいですね。」

映画「涼宮ハルヒの消失」の古泉のセリフ

と呟く声もまた寂しそうで、可哀想に思いました。

まとめ

すごく劇的でメリハリのある展開がとても面白く、最後の最後まで心休まる余裕なくドキドキしながら楽しめました。

物語はほとんど原作通りですが、その完成されたストーリーと、キャラクターや背景などの綺麗で丁寧な描写が上手く合わさって、より感動できるものになっていたように思いました。

テレビシリーズを思い起こさせるような場面も多くあって、それが上手く繋がっていたので、本当に「涼宮ハルヒの憂鬱」を観てて良かったなと思わされました。

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