たまこラブストーリー
2014年公開のアニメーション映画。京都アニメーション制作。テレビアニメ「たまこマーケット」の続編。
幼馴染の高校生の男女二人が,悩みながら告白したりする話。
©京都アニメーション/うさぎ山商店街
あらすじ
主人公は餅屋の娘で高校3年生の北白川たまこ。彼女はおもちが大好きで卒業後は実家の餅屋『たまや』で働くことを決めていた。
そして彼女には,向かいにある餅屋『大路屋』の息子で大路もち蔵という幼馴染がいた。彼はずっと前からたまこのことが好きだったが,なかなか彼女に言い出せずにいたのだ。
もち蔵は東京の大学に進学することを決めていた。なので,二人が夜に話すときに道路をまたいで使う糸電話をたまこが失敗せずにキャッチできたら,その時に告白しようと考えていた。だが彼女は100回に1回ぐらいしかちゃんと受け取ってくれないため,なかなか告白できないでいたのだ。
早くたまこに告白しなければと焦るもち蔵は,ある日勢いで今日告白することを決める。そして昔一緒に遊んだ河川敷で,もち蔵はたまこに告白したのだ。
「俺,めちゃくちゃたまこが好きだ!」
はっきりとした告白を受けたたまこだったが,突然の言葉に動揺した彼女はびしょ濡れのままその場から逃げ去ってしまった。
その後商店街や学校でもち蔵に会っても、彼とどう接して良いのか戸惑うたまこは、彼を避けるようになってしまう。
しかし,その後に起きたある出来事をきっかけに,たまこはもち蔵のことが好きな自分の気持ちにようやく気付く。たが,幼馴染として接していたもち蔵にその気持ちを伝えることは,彼女にとってはとても恥ずかしいことだった。
しばらくの間,たまこは行動を起こす勇気が出せないままでいた。しかし,たまこのお父さんが昔お母さんに告白する時に作った歌を聴いていた夜、たまこは意外な人物のある行動によって,その背中を押してもらうのだった。
勇気を出したたまこは,もち蔵に自分の気持ちを伝えるため,誰もいない学校で彼と二人きりになれるように計画を立てるのだが…。
果たして,たまこはもち蔵にその気持ちをうまく伝えることができるのか…。
感想(ネタバレあり)
ストーリーについて
こんなにまっすぐで純粋な青春恋愛映画はほかに観たことないです。たまこともち蔵が恥ずかしがったり悩んだりする姿がすごくかわいくて,二人が大好きになりました。
テレビアニメの続編なのでテレビを見たほうが楽しめるとは思いますが,見なくても楽しめると思います。
もち蔵の序盤のモノローグの
とある町の商店街。小さいけれど賑やかで,お祭りみたいなこの町で,生まれた時から向かい通し,同じもち屋の息子と,娘。
誰も気付いてないとは思うけど,僕は,この幼馴染の女の子に恋を,してるんだけど…。
「たまこラブストーリー」のもち蔵のモノローグ
これを聞いたらほぼ大丈夫です。この映画にややこしい設定は無いです。
この映画は,ほかのよくある恋愛映画のようにインパクトある性格のキャラクターや特殊能力を持った人間などは出ません。
たまこももち蔵も普通の高校3年生で,もち蔵がたまこに告白してから,たまこが悩んで返事をするというだけのストーリーです。事件もたまこのおじいさんがもちをのどに詰まらせるぐらいでした。
でも,それが良かったです。二人が普通の高校生だからこそ,もち蔵がたまこに告白するときのドキドキ感も,それを聞いたたまこの動揺も,返事をされた時のもち蔵のうれしさも理解できて,心に残りました。
予告であったもち蔵がたまこに川で告白するシーンがラストかと思って初めは見ていたんですけど,違ってびっくりしました。あれ,早いな?って思いました。むしろそこからのたまこともち蔵が悩むところが大事でしたね。
最後にみどりちゃんがもち蔵が転校するって嘘をついて,たまこを行かせたのも良かったです。みどりちゃんはたまこのことが好きなんですけど,たまこのためを思って行動した結果なんでしょうね。優しいし,粋でしたね。
昔のお母さんがお父さんに贈った歌で背中を押されると言うのも良かったです。お母さんがお父さんの告白から1回逃げていたってことも分かって,やっぱり親子なんだなと思い,ほっこりしました。
最後のシーンについて
最後のシーンでたまこが糸電話越しにもち蔵に「もち蔵,大好き。どうぞ」って言ったシーンがすごく好きです。画面が真っ暗になって糸電話越しのたまこの声だけになる演出は,DVDじゃなくて映画館で見たかったなと思いました。たまこの声がとてもかわいいです。
糸電話で告白すること自体がいいです。最初にキャッチするのに失敗していたのは,もち蔵の気持ちをうまく受け止められない状態だったからで,最後にはしっかり受け取ったからバトンもコップもキャッチできたという意味なんでしょうね。
何よりも,もち蔵を追って新幹線の乗り場まで来たたまこが可愛すぎます。大声でもち蔵の名前叫んだ後,糸電話を二つとも渡してしまって「あ,間違えた!」って慌てるところが,特に好きです。
たまこの言葉が終ってすぐに,たまこが歌う「恋の歌」が流れるのも良かったです。まだまだ二人の物語は終わらないよって感じで盛り上がりました。
感想
本当にこれ以上ないってぐらい,まっすぐな青春恋愛ものです。主役の二人が本当にいい子なのでうまくいってくれと応援したくなります。テレビ版を見てない人も楽しめますし,見た人はもっと楽しめると思います。
これを観た後はきっとたまこともち蔵のことが大好きになりますよ。
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