ONE PIECE STAMPEDE
2019年公開の日本のアニメーション映画。人気漫画「ONE PIECE」の劇場版第14作目。監督 大塚隆史。原作 尾田栄一郎。声の出演 田中真弓、磯部勉、ユースケ・サンタマリア。
(C) 尾田栄一郎／2019「ワンピース」製作委員会
海賊たちの世界一の祭典『海賊万博』に参加した麦わらの一味が、会場に集結した海賊、海軍、王下七武海、革命軍、CP-0などのさまざまな戦力と敵対、協力しながら、海賊王ロジャーが遺した宝を奪い合う話。元ロジャー海賊団の一員、ダグラス・バレットとの戦いも描かれる。
あらすじ
富、名声、力、この世の全てを手に入れた男、海賊王ゴールド・ロジャー。歴史上で唯一『偉大なる航路（グランドライン）』を制覇した彼が死に際に放った一言は、多くの人を海へと駆り立てる大海賊時代の幕を開けた。
夢や野望を抱く者たちは皆、海賊王が残した『ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)』を求める旅を始めたのだ。海賊王を目指して航海を続ける少年モンキー・Ｄ・ルフィもその一人だった。
ある日、麦わらの一味の仲間たちと旅をしていたルフィは、祭り屋と呼ばれるブエナ・フェスタという男から、海賊たちが集まる世界一の祭典『海賊万博』への招待状を受け取った。そこでは海賊王ロジャーが遺した宝を探すイベントが行われる予定だったのだ。
ルフィたちがロジャーの宝を求めて着いた万博会場には、キッドやベッジといった『最悪の世代』の面々に加え、バルトロメオ、キャベンディッシュ、千両道化のバギーなどの、あらゆる強力な海賊たちが同じ宝を求めて集まっていた。
しかし、ルフィたちが壮絶なお宝争奪戦を繰り広げているところに、かつて『鬼の跡目』と呼ばれていた元ロジャー海賊団の一員、ダグラス・バレットがやって来る。伝説の怪物バレットはその後『最悪の世代』の海賊たちと戦い、圧倒的な強さで彼らを次々と苦しめていくのだった。
そして同じ頃、フェスタとバレットが裏で企む凶行に気づいた海軍もまた、それを止めるために動き出していた。
海軍のスモーカーや大将の藤虎、黄猿、そして王下七武海のハンコックとミホークまでもが、万博会場に向かいその場に集まった海賊たちと戦っていたのだ。
またさらには、元王下七武海のクロコダイル、革命軍参謀総長のサボ、CP-0のロブ・ルッチも、それぞれの理由から会場に現れ、ロジャーのお宝争奪戦はさらに激しくなっていく。
元ロジャー海賊団の『鬼の跡目』バレットが狙う、海賊王ロジャーが遺した宝の正体とは…。そして海賊、海軍、王下七武海、革命軍、CP-0、あらゆる戦力が入り乱れる激闘の末、最後にそれを手にするのはどこの誰なのか…。
感想（ネタバレあり）
新しい島の冒険感はあまりありませんでしたが、これまでのONE PIECEの物語で出てきたあらゆる強い人たちがどんどん現れて、最初から最後までほとんど休む暇なく誰かが戦い続けていたので、そのバトルシーンを最後まで熱い気持ちで観られました。
特に、海賊も海軍も革命軍もみんな巻き込んで、原作では敵同士の大物のキャラクターたちが共闘する場面には、とてもワクワクしながら楽しめました。
豪華なキャラクターが総出演していることに加えて、とてつもなく大きな敵と戦ったり、隕石を斬ったりする派手でかっこいい描写も多かったので、ONE PIECEファンであれば本当にどこを取っても盛り上がれるお祭りのような映画でした。原作ではもう見られないような場面も多くて、これを劇場版で観られてお得に感じました。戦闘の演出についても、どれも迫力があって引き込まれるものでした。
キャラクターについて
これまでの原作に出てきたいろんなキャラクターが登場しましたが、いろんな人にかっこいい見せ場があったのが良かったです。
本気のウソップの言葉や活躍には感動させられましたし、ローのかっこよさや、久し振りに集まっていた最悪の世代のみんなの個性的な戦いも楽しめました。そして、最悪の世代がみんなその能力を使った多彩な攻撃で攻める中で、敵のバレットが素手で全部返り討ちにしていくところも、強敵感があって好きでした。その後、さらに能力を使ってでっかく強くなる絶望感もすごかったです。味方として現れるクロコダイルの頼もしさも改めて感じられました。
本当にあらゆるキャラクターの見せ場があったのですが、私はその中でもサボの優しさが好きでした。エースがいなくなってからは、ルフィのたった一人のお兄さんですが、いいお兄さんぶりが描かれていたように感じました。特に最後のルフィのために見せた演出は、最高にイカしててかっこよかったです。スモーカーとのやり取りもエースを思わせる感じで好きです。
原作では滅多に見られないような大物のキャラクターが、本当に惜しみなく次々と出てきて掛け合いをしていくので、原作やテレビアニメのファンなら、そこだけでも楽しめると思います。
ルフィが終盤、バレットと戦うために集まったメンバーに「ここにいるやつでやるなら大丈夫じゃないか」というようなことを言っていましたが、その場のメンバーが今協力できる最大限の戦力のようなオールスターメンバーだったので、私もそれには完全に同意できました。ローがみんなを一気に集めて同じところを攻撃するシーンは、最高に熱くて盛り上がりました。
海賊でありながら、他の海賊や海軍といい関係を築いていたところは、ガープたちと仲が良かったロジャーのような描写でもあって、良いなと感じました。
いろんな人たちが活躍していたため、麦わらの一味ではルフィとウソップ以外あんまり目立った活躍していなかったように感じるところがありました。ですが、彼らはこれからいくらでも活躍する機会があるので仕方ないです。ゾロについては隕石を斬るところがすごかったですが、ミホークがすぐにそれを上回ってしまったので、結局あの場面はゾロよりもミホークすごいなという気持ちでした。
いろんな戦力が戦う全方位決戦みたいに宣伝では言っていましたが、CP-0のロブ・ルッチがほとんど遠くから見ていただけだったのは少し気になりました。
音楽について
劇中の良いところで、テレビアニメでの主題歌の音楽が流れる場面が印象的でした。
特に「ウィーアー!」が流れる場面は、どれもとても盛り上がる場面で最高でした。また「memories」が流れる場面では、その時の状況やセリフと音楽の懐かしさが合わさって、とても感動させられました。テレビアニメの最初のエンディングテーマだったと思うので、それを流しながら旅について語られると、ONE PIECEファンならとても心に染みると思います。
まとめ
冒険感は他のONE PIECE映画と比べてあまりないように思いましたが、その代わりに、原作に出てきたあらゆるキャラクターたちが次々と豪華に登場して戦い続けるバトルシーンが、ワクワクで楽しい映画でした。
最初から最後までほとんど休みなく続く迫力あるバトルシーンに加えて、たくさん登場する大物キャラクターたちにはほとんどみんなにかっこいい見せ場があり、音楽についても懐かしいものが使われているので、ONE PIECEファンであれば、本当にいろんな面から楽しめるものだったと思いました。
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