ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「ビリーブ 未来への大逆転」の感想、あらすじ

ビリーブ 未来への大逆転

 2018年公開アメリカ映画。日本では2019年公開。出演 フェリシティー・ジョーンズ、アーミー・ハマー。監督 ミミ・レダー。原題は『On the Basis of Sex』。


© 2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.

1970年代のアメリカで、史上初の男女平等裁判に挑んだ女性弁護士の話。のちにアメリカ合衆国最高裁判所の判事を務めることとなるルース・ギンズバーグの実話をもとに描かれる。

あらすじ

1960年代後半のアメリカ。

貧しいユダヤ人家庭に生まれた女性、ルース・ギンズバーグは、夫であるマーティンのよき理解者であり続けるために、猛勉強をして名門のハーバード法科大学院に入学した。

しかし、女性のあらゆる権利が制限されていたその時代に、妻であり母でもあった彼女が大学院で勉強を続けるのは、とても難しいことだった。

さらに、在学中のマーティンがガンを患ったため、ルースは家事育児と自分の勉強に加えて、彼の勉強もしなければならなくなってしまった。だが、彼女はその生活の中でも必死に勉強を続けたことで、大学を首席で卒業することができた。そして、マーティンも彼女の看病のおかげで、奇跡的にガンが治療できたのだった。

 

しかし、大学院を優秀な成績で卒業したルースだったが、女性であるという理由から、夢であった弁護士の仕事に就くことはできなかった。彼女はその夢を諦め、大学教授として次の世代の弁護士を育てる仕事を始めたのだ。

ルースは大学で男女平等に関する講義を熱心に行った。その時代、女性差別に関する法律は全て合法とされており、彼女はそれを何とかしたいと常に考えていたのだ。

 

そんなある日、ルースはマーティンが見せてくれた一つの訴訟記録を見て、画期的なことを思いつく。その訴訟記録は、ある男性が未婚の男性であることを理由に、介護に関する所得控除を受けられなかった、というものだった。

彼女は男性裁判官ばかりの裁判所では、女性よりも男性差別の方が共感されやすいため、法律の性差別判決の先例をその件で作ることによって、最終的な男女の平等を進めようと考えたのだ。

 

しかし、性差別に関する裁判はそれまでの100年間、あらゆる実績のある弁護士が挑んできても、全て敗訴になっていた。彼女の知り合いの弁護士は、経験のないルースでは絶対に勝てないと断言していたのだ。

だが、ルースは諦めなかった。彼女はマーティンたちの力を借りて、これから生きる全ての人々の自由のために、100パーセント負けると言われた裁判に踏み切るのだった…。

感想(ネタバレあり)

変わっていく時代の中で、変わらない法律に苦しめられている人のため、不利な状況にもかかわらず戦い続けていたルースたちの姿にとても感動させられました。ルースをいつも理解しようとして信じ続けていた、アーミー・ハマーさんが演じるマーティンも、とても優しくてかっこよかったです。

 

その時代の女性や男性のためだけではなくて、これからの時代を生きるさまざまな人が自由に生きられるようにするために、より良い法律を作ろうとしていたところが、単純に素晴らしいと感じました。

専門家の大学教授として、当時の法律で男女差別が合法だと冷静に語るシーンは衝撃ではありましたが、だからこそ最後のシーンは爽快でした。

こんなことをした人が実在しているのはすごいと思いましたが、同時に、今の世の中は彼女のような人が頑張って変えてきた結果でもあるので、無駄にしてしまわないように私も頑張らなければ、とも思わされました。

歴史について

劇中では、女性差別に関する過去100年の先例は、ルースが性差別の法律を変えるために覆さなければならないものとして描かれていましたが、それだけではなかったのも良かったです。

未来のために戦っていたルースも、いろいろな人が権利を得るために戦って敗れてきた過去があったからこそ、大学で法律を学べて法廷に立てていました。つまりは、彼女に繋がる過去は、敵ではなく味方であったのだと感じました。

その展開は、長年積み重ねて受け継がれてきた正義の思いが、ようやく法律を変えるまでの力になって、大きな成果を生み出せたような、熱い展開に思えて好きでした。

 

そしてその積み重ねが、今もなお繋がっているというのも、とてもいいと思います。

劇中では、法律は時代とともに変化して完成することはない、というような事を言っていましたが、法律という大きな問題だけでなくあらゆる分野でも、おそらくそれは同じです。今私が普通に暮らせているのは、ルースのように、変わっていく時代に合わせて少しずつルールを変えようと頑張ってきた人が、いろんな分野で存在して、その思いを繋いできたからなのだと考えさせられました。

そう考えると、ルースを含む先人の方々にはとても感謝させられますし、その先人が築いてきた上で、今もなお変化している時代に生きている私たちは、その未来に対する思いを無駄にせず受け継いでいくべきだなとも感じました。

 

ルースのような偉大な事が誰にでもできるとは思えませんが、小さなことでも未来のために考えて何か行動することは、多くの人にできると思います。成功するかは分かりませんし、無駄にも思えることかもしれませんが、正しいことであれば同じような小さな思いが積み重なって、後にルースのような大きな結果を生み出していくのではないかと私は思います。

まだまだ人を縛るようなことが、法律だけではなくあらゆることで存在している世の中だとは思いますが、ルースのような過去の偉人が繋いできた世界だと思えば、少し勇気が出ますし、好きになれる気もしました。

 

過去のいろんな人が頑張ってきた結果で生かされているので、私も彼らに感謝して、彼らに恥ずかしくないように、さらに未来に生きる人により良い世の中を残せるようにしていきたいと思わされました。

当たり前のことについて

劇中でルースたちが変えようとしていたものは、女性は家で家事をして男性は外で仕事をするべきといった、それまで当たり前に信じられてきた考え方でした。彼女たちは、長年信じられてきたそれを改めて見直すことで、法律で生き方を縛られていた人を救っていました。私の周りでも同じように、これまでずっと続けられてきたから正しいと、思考停止しているようなことがいくつもあるなと思わされて、少し反省しました。

 

そして、時代が変われば人の心も変わり、当たり前の概念も自然に変わっていくのだという事も、中盤でのルースと彼女の娘さんの、男性に対する態度を見ていて実感できました。

常に変わっていく現在や未来を、自由でより良い世の中にするためには、変わっていく当たり前について常に考えて、周りの環境も変化させなければいけないのだと改めて思いました。

気になったことについて

とてもいい話で考えさせられる映画だったのですが、法律に関する難しい話をしている場面がとても多くて、少しついていくのが大変でした。

特に後半の法廷のシーンは、法律に関する話しかなくて、ちょっとだけ眠くなりました。とても真面目で、いい事を言っていたシーンでもあったので気合いで起き続けられましたが、DVDとかで休憩しながらちゃんと見直したいです。

まとめ

先人たちや家族など、いろんな人の力を借りて正しい事をするために戦い続けていたルースの姿にとても感動させられました。

私も彼女たちのような先人たちが築いてきた環境で生きているので、いろいろ未来について考えながら、より良いものを残していきたいと思わされました。

フェリシティ・ジョーンズさんは、『博士と彼女のセオリー』でもとても芯が強い女性を演じていましたが、そんな役が合っていていつもかっこいいです。

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