ロッキー
1976年公開のアメリカ映画。日本では1977年公開。脚本・主演 シルヴェスター・スタローン。
才能がありながら機会に恵まれず、トレーニングを怠っていたボクサーのロッキーが、突然世界チャンピオンであるアポロの対戦相手に指名されたことをきっかけに、自分の人生とボクシングに本気で打ち込むようになっていく話。
あらすじ
1975年 フィラデルフィア
無名のボクサー、ロッキー・バルボアは、強くなる才能を持っていながらも、トレーニングをまともにせず、試合が無い日は生活のために高利貸しの集金をしながら暮らしていた。ジムのトレーナーであるミッキーは、そんなロッキーの態度に愛想をつかして、彼の育成を諦めかけていた。
しかし、そんな状態のロッキーにも一生懸命になれることがあった。それは、ペットショップで働いている女性のエイドリアンと仲良くなることだった。彼は好意を寄せる彼女の元に毎日通って話しかけていたが、不器用なロッキーと内気なエイドリアンはなかなかその距離を縮められずにいた。
彼らはその後、エイドリアンの兄であるポーリーに協力してもらうことで、ようやく恋人同士になることができたのだ。
そして、そんな彼にもう一つの転機が訪れた。
世界ヘビー級チャンピオンのアポロ・クリードが、タイトルマッチの対戦相手にロッキーを指名してきたのだ。普通なら、無名の選手に巡ってくるような話ではなかった。だが、アポロと対戦する予定だった選手がけがをしたことや、話題を集めるためなど、あらゆる理由が重なった結果、幸運にもロッキーにその話がやって来たのだ。
二度と巡ってこないであろう、ただ一度のチャンスを前にして、ロッキーはこれまでにしてこなかった本気のトレーニングを始めた。ミッキーやポーリー、エイドリアンにも協力してもらい、アポロ戦のために全力で準備をしたのだ。
しかし彼は、三流で無名の自分は世界チャンピオンのアポロとは、本来闘うレベルでないことを理解していた。だから、15ラウンドまで闘って、立ち続けることだけを考えるようにしたのだ。
そうすれば自分がただのゴロツキじゃないことを証明できる。その思いだけを胸に秘めて、ロッキーは試合当日を迎えた。
その試合の賭け率は、50対1でアポロが優勢だった。多くの人が、早い段階でのアポロのKO勝ちを予想していたが、ロッキーはそれに反した意外な攻撃を見せていく。
全世界とエイドリアンたちが見守るその闘いに、それまでの全てをかけて挑んだロッキーの結末は…。
感想(ネタバレあり)
以前に観ている映画ですが、やはり分かりやすくて夢があって、とても見やすくて良い映画だと思います。
一般的な強靭なボクサーのイメージとは違った、人間味のあるロッキーが死ぬほど頑張ってチャンプのアポロに立ち向かうところは、心から彼のことを応援できました。普段は現実のボクシングをほとんど見ない私でも、最後の試合のシーンはとても引き込まれましたし、終わった時はとても安心しました。
ボクシング以外のシーンについて
後半の試合に向けてトレーニングをしているシーンと、最後の試合のシーンの印象が特に強いので、見返すと意外とボクシングしているシーンが少ないな、というのを私は観るたびに思っています。
前半の一時間については、最初のシーン以外にはほとんどボクシングに関わることをしていなかったように思います。しかし、私はその部分も、この映画の大事なところだと思わされました。
人間は夢を見る生き物ですが、夢だけを見てひたむきに努力し続けられる人なんて、そうそういないと思います。だれでもさぼったり怠けたり、全然違うことをすることもあると思います。
だからこそ、一度はトレーニングをやめてボクサーとして堕落してしまったロッキーに共感し、心を入れ替えて再挑戦することを決めた彼に、成功してほしいと思う人が多かったのではないでしょうか。私はそう思いました。夢がある話が成功してほしいという願望もありました。
ロッキーについて
ボクサーとしては落ちぶれていても、ロッキーが人間として優しい人であり続けていたところが、私はとても良いと思いました。
彼が近所の子供の言葉遣いを注意していたり、不器用なりに頑張ってエイドリアンに優しく接していたところを見ていると、私は彼のことがどんどん好きになっていきました。
それまでの強いボクサーのイメージとは違いましたが、試合前日に悩んでいるところも、また親近感がわいて良かったと思います。
それらのおかげもあってか、私は最後の試合のシーンは本気で引き込まれて彼のことを応援できましたし、心配できたのだと思います。
まとめ
とても分かりやすくて夢がある良い映画です。
たとえ勝てなくても、それまでに怠けていたことがあったとしても、今を全力で頑張って闘う人はとてもかっこいいなと思わされる映画でした。
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