世界にひとつのプレイブック
2013年公開のアメリカ映画。日本では2014年公開。出演 ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス。原題は『Silver Linings Playbook』。
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躁うつ病に悩んで精神病院に入っていたクレイジーな主人公が、もう一度希望の光を見つけるために、クレイジーな女性とペアでダンスコンテストに挑戦する話。
あらすじ
躁うつ病の症状があったパットは8ヶ月前、妻であるニッキの浮気現場を目撃し、その浮気相手を殴り倒してしまった。その結果、彼は精神病院に入院することになり、8ヶ月経った現在になってようやく退院できたのだ。
しかし、法的に退院はできたが、彼の病気は治っているとはとても言えない状態だった。両親と暮らしている家で夜中に大声で騒いだり、セラピーを受けているクリニックで暴れたこともあったのだ。
それでもパットは自分が安定していると言い張り、接近禁止令が出ている妻に何とかして近づこうと考えていた。
そんなある日、パットはニッキとの共通の友人の食事会に招待された。そこで、近所に住むティファニーという女性に出会ったのだ。
彼女は夫を亡くしたショックから職場でトラブルを起こして解雇され、現在はパットと同様にセラピーに通っていた。その後も、彼女の型破りな言動に振り回されながら過ごしているうちに、彼らはお互いに心を開くようになっていった。
パットは仲良くなったティファニーに、妻へ書いた手紙を自分の代わりに渡してくれるよう頼んだ。彼女はそれを了承したが、一つだけ条件を出した。それは、亡くなった夫の代わりに、パートナーとしてダンスコンテストに出場することだった。パットは少し迷ったが、妻との復縁のためだと考えてその提案を受け入れたのだ。
そして二人はダンスの練習を始めた。同じ目標に向かって努力していくうちに、彼らはさらに心を通わせ始め、それぞれの過去や本音をお互いに打ち明けていった。
必死に練習した甲斐あって、パットは徐々にティファニーとまともに踊れるようになっていき、躁うつの症状もかなり落ち着いていった。だが、コンテスト直前に予想外な出来事が重なり、彼らは大きなプレッシャーを抱えながらステージに上がることになったのだ。
人生の希望を見つけるために行動し続けた彼らの運命は…。
感想(ネタバレあり)
クレイジーな人物たちのヒューマンドラマという面もあり、二人の恋愛模様のドキドキもあり、賭けとダンスでのハラハラもあって、とても楽しく観れる映画でした。
最後にはすべてが納得できる形で終わったので、気持ちよく観終えることができました。
ティファニーについて
ジェニファー・ローレンスさんが演じていたティファニーの性格がとても良くて、私は心から彼女を応援したくなりました。彼女の考え方や一生懸命な生き様が、すごく可愛くてかっこよかったです。
「情けなくてみっともない部分は必ず自分の中にあるんだし、それも含めて自分が好き。」
映画「世界にひとつのプレイブック」ティファニーのセリフ
上のセリフで言っていたように、昔のことも受け入れた上でより良く変わろうとしていて、自分がやりたいことを自信を持って一生懸命にやろうとしていた彼女のことが、私はとてもかっこよく思えて応援したくなりました。
中でも、最後の賭けの内容を決めるシーンは一番印象に残りました。パットが必死に止めている中で、彼女だけが自信満々に自分たちのダンスを賭けの対象にしようとするところが、とてもかっこよかったです。
あのシーンについては、パットのお父さんもティファニーも無茶な賭けに対して前向きだったので、普段はクレイジーだと言われていたパットが一番冷静な人に見えるところも面白かったです。
しかし、お父さんはイーグルスとパットのことを信じていて、ティファニーは自分とパットのことを心から信じているからこそ、言っているというかっこいいシーンでもありました。
その前にあった、パットのお父さんとの言い合いのシーンもまた良かったです。
ティファニーが今までにパットと会っていた日のことや、パットのモットーのことを言って完全に言い負かすところは、かっこよかったです。ですが、かっこいい以上に、それらをわざわざ彼と一緒に過ごすために調べたのかと思うと、とても可愛くも見えました。こんなに一生懸命なのだから、早く彼と結ばれてほしいと心から思いました。彼とダンスをしている時の楽しそうな表情も良かったです。
ティファニーの常に本気な言動が、ジェニファー・ローレンスさんの迫真で豊かな表情の演技と合わさって、とても魅力的なキャラクターになっていたと思います。
その他の登場人物について
もちろんパットもかっこよかったです。
誰よりも早くティファニーの良さに気づいていましたし、手紙のことに気づいたのもグッジョブでした。パットがティファニーを傷つけることを言う場面もありましたが、すぐに謝って訂正できるところは良かったです。
ただ、手紙やティファニーへの気持ちに気づいているなら、もっと早く言ってあげればいいのにとは思いました。でも、それも最後のロマンチックな展開につながっていましたから許します。
途中からは、どう見てもティファニーが彼のためにいろいろ頑張って行動していたので、気づかない彼に対してとてもじれったく思いながら、楽しんで彼らを見ていました。
パットのお父さんも、賭けごとになると急に胡散臭くなりますが、子供のことを思っている良いお父さんで良かったです。
人間は自分も含めて、みんな違ったクレイジーな部分があるものなので、それぞれの良い面を見て行動したほうが絶対に良いなと、彼らを見て改めて思わされました。
まとめ
ヒューマンドラマやコメディやラブストーリーなど、いろんな要素が詰まっていて、とても楽しくて見やすい映画でした。
ブラッドリー・クーパーさんを見るために観始めた映画でしたが、観終えて受けた印象では、圧倒的にジェニファー・ローレンスさんのティファニーの方が強かったです。役の強さと演技の強さが上手くかみ合っている感じがして、とても素敵なキャラクターになっていました。
自分や他人のみっともない部分も受け入れて、なるべく良い面を見て生きていこうと思えました。
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