ササキの映画感想日記

観た映画やおすすめの映画の感想などを書いていこうと思います。あらすじには多少のネタバレを含んでいるので未視聴の人は注意してください。twitterアカウント:@sasakimovie

映画「君は月夜に光り輝く」の感想、あらすじ

君は月夜に光り輝く

2019年公開の日本映画。出演 永野芽郁、北村匠海。監督・脚本 月川翔。

(C)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

原因不明で治らないとされる難病にかかったクラスメイトの女子のために、彼女がやりたかったことを主人公が代行していきながら仲を深めていく話。徐々に死の瞬間が近づく彼女とその周りの様子が描かれる。

あらすじ

高校生の岡田卓也はある日、クラスメイトのみんなが書いた寄せ書きを、病気で入院している同じクラスの女子に届ける役目を任された。

彼女の名前は渡良瀬まみず。彼女の病気は、死が近づくにつれて皮膚が光を発していく『発光病』と呼ばれる原因不明の難病で、成人するまで生存した者はいないと言われていた。

しかし彼女の病室に行った卓也を迎えたのは、その病気のイメージとはまるで違い、明るく元気そうに振る舞う、まみずの姿だった。

 

その後、再びまみずの病室に行った卓也は、些細なきっかけから彼女が大切にしていたスノードームを壊してしまう。そしてその罪滅ぼしのために、まみずの言うことを何でも聞く約束をしたのだ。

それを聞いたまみずは、自分が死ぬまでにやってみたかったことを、代わりに卓也にやってもらってその話を聞かせてもらう、という代行体験を提案する。

まみずが頼む代行の依頼は簡単なものではなかったが、スノードームの負い目がある卓也はその提案を即座に引き受けた。

しかし、実は卓也にはスノードームの件の他にも彼女のために行動する理由があった。不意に生きるのを諦めたような発言をするまみずの姿が、彼がかつて交通事故で亡くした姉の姿と重なる部分があったのだ。彼の姉は発光病で恋人を亡くした末に、自殺をしたのではないかと思われていた。

 

それから彼らの代行体験の生活が始まった。

遊園地に行くことや自転車で思いっきり風を感じることなど、まみずがやりたいと思っていたことを卓也が代行し、彼女にその様子をスマホのカメラで見せたり、その感想を話して聞かせた。

二人は楽しくそれを実行していくうちに、お互いに惹かれ合っていった。そしてまみずは、その代行体験を通して卓也と同じ時間を過ごすことで、生きる幸せを再び感じ始めていたのだ。

しかし、二人の距離が縮まっていくのと同じように、まみずの病状は徐々に悪化していった。

 

そして、まみずの命の輝きが消えようとしている中、もっと生きたいと願う彼女が卓也に託した、最期の代行体験の内容とは…。

感想(ネタバレあり)

観る前まではヒロイン役の永野芽郁さんが死んでしまうまでの、とにかく悲しい話かと思っていましたが、まみずと卓也が仲良く楽しそうに話している場面が割と多かったので、思っていたよりも楽しく観られました。

そして、病院から出られない状況の中でも、卓也の代行を通して精一杯人生を楽しもうとしていたまみずの姿が、とても前向きで明るかったので、余命ゼロと言っていた彼女から、逆に私が前向きに生きるための元気をもらえたような気にもなれました。

 

しかし、まみずが卓也と楽しそうに過ごしていた様子を見ていたからこそ、もっと生きたいと思い始めていた彼女の具合が悪くなっていくのは、とても悲しかったです。

そして、彼女が卓也の代行を見ていた時の気持ちが最後に明らかになった時は、本当に悔しい思いでいっぱいでした。病気が無ければ、想像ではなくて現実であんな風にデートできていたかもしれなくて、これから先も二人が一緒にいられたかもしれないと思うと、とても悲しくて病気が治らないことがただ悔しく思いました。

屋上でロマンチックなことを言い合う場面など、病院内で幸せそうに過ごす二人はとても微笑ましく、可愛いと思いながら見られたので、二人が揃って外でデートする姿も、私はもっとたくさん見たかったです。

卓也がスマホを持って、くるくる回るシーンは特にまみずの気持ちを知った後に思い返すと、とっても良いシーンでした。あんなシーンがもっと見たかったです。

キャラクターについて

何と言っても、ずっとまみずを楽しませるために頑張っていた卓也が、とても優しくて好きでした。

代行を次々とこなしていくのはもちろんのこと、望遠鏡を病院にもっていって一緒に星を見たり、お父さんと話をしに行ったりした行動は、全部まみずのためを思ったゆえの行動で、とてもいい印象を持てました。

特に一番良かったのは、まみずに靴をプレゼントしていたシーンです。イケメンは足のサイズを聞く時ですらイケメンなのかと思い、優しくもあり衝撃的なシーンでもありました。

 

卓也だけでなく、他の人物も全体的にみんな優しくて良かったです。

まみずのお父さんや卓也の友達の彰など、本当にみんな優しかったのですが、私が一番気になったのは、卓也のクラスメイトの名もなき男子生徒でした。

学校でロミオとジュリエットの配役を決めていた時、卓也が突然ジュリエット役に立候補してみんな戸惑っている中、『歌舞伎みたいで面白くない?』と即座に放った名もなきあの生徒の発想がすごいなと思いました。一言で周りの空気を一気に変えて卓也は助けられた形になっていたため、すごく褒められてもいいくらいの発言だったと思います。ですが、名前がない生徒なのでサラッと流されていたのが少し不満でした。

死の表現について

やはりヒロインが難病にかかっている話なので、近いうちに亡くなるかもしれない人の考え方や、その周りにいた人物の気持ちが、何度も描かれていました。

心残りが無いようにやりたいことをまとめていたまみずの姿や、亡くなった娘さんを思ってご飯を準備し続けていたお母さんなどは、見ていていろいろ考えさせられました。

 

結局私が思ったのは、残された人は自分のためだけではなく、亡くなった人のためにも、幸せに生きるべきだなということでした。大事な人が亡くなるのはとても悲しいことですが、ずっと引きずっていくのは良くないなと改めて感じました。

なので、まみずが最期に言った卓也への代行の願いはとっても好きでした。自分が生きたいという気持ちや怖い気持ちもあっただろうに、最期の願いは自分が死んだ後の卓也の幸せを思うようなもので、すごく優しくて感動させられました。自分のことも覚えていてほしいような、そんな思いも感じられて良かったです。

 

中盤で卓也の友達の彰が、まみずのことが好きだったと言い出した時は、何でお見舞いを他人に行かせていたのか疑問に思いましたが、その後の卓也とまみずを見ていると、それも仕方ないことかなと感じました。

劇中で言っていたように、大切な人が亡くなることはとても悲しいことです。その時が近いうちに訪れることが分かっているにもかかわらず、最期までその人を本気で想い続けるというのが辛いことなのは、まみずたちを見ていてよく分かりました。

実際、卓也にもメイド喫茶のメイドさんのような素敵な出会いがあって、もしまみずのお見舞いに行かなければ、あれほど苦しまない恋愛をしていたかもしれないと思うと、難病にかかったまみずのことを諦めて、普通の学生生活を送ることを選んだ彰を悪く考えることはできませんでした。彰が悪いのではなく、苦しむことになるのが分かっていながら、それでもそばに居続けた卓也がとても優しいのです。

そう考えると、自分のために卓也が苦しむことになるからもう会わないでほしいと言っていた、まみずの気持ちもよく分かってまた悲しかったです。

 

その後の、昔まみずのことが好きだった彰と、今現在まみずのことが好きな卓也が、ロミオとジュリエットを演じるという展開は、熱い友情も感じられて好きでした。彰もまみずのことを思っているというシチュエーションが良かったです。

 

亡くなった人に対する考え方はいろいろあるとは思いますが、完全に忘れてしまうのも寂しいので、なるべく覚えているままで幸せに暮らすのが一番良いのかなと私は思いました。

まとめ

架空の難病を扱った映画で暗い雰囲気の映画かと思っていましたが、意外と二人が楽しそうな様子がたくさん見られたので、思っていたよりは明るく観られました。最後は悲しい展開があっていろいろ考えさせられましたが、卓也と楽しく生きていたまみずに逆に元気をもらえて前向きになれるような映画でした。

細かいことを言うと、渡良瀬まみずという名前の響きが結構好きでした。口に出して言いたくなります。また、私は松本穂香さんが好きで松本さんが出ているからこの映画を観たといっても過言ではないのですが、あまり出ていなかったことは個人的に残念でした。でも、予想より感動させられる部分や考えさせられるところがあったので、観て良かったと思います。

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